犬種図鑑 カニーンヘン・ダックスフンド


飼いやすさ

特徴

どんな犬?
ダックスフンドの中で最も胸囲が小さいカニーンヘン・ダックスフンド。ダックスフンドといえば、短い足と長い胴が印象的です。でも、どうして胴長短足なのでしょうか? カニーンヘン・ダックスフンドの歴史や性格、気を付けたい病気などをご紹介します!

性格
狩猟犬として活躍してきたダックスフンドは、遊び好き、いたずら好きで活発な性格です。自立心があり縄張りなどの防衛意識も高いので、吠えや知らない犬とのトラブルには注意が必要です。一方で、とても明るく温和な性格の持ち主で、家庭犬として愛され、多頭飼育されることも少なくありません。
サイズ
アナグマの猟犬として穴の中に入っていかなければならなかったダックスフンドは、体高よりも胸囲が重要視されて、生後15ヶ月に測定した胸囲が定められています。
スタンダード:男の子が37~47㎝以下、女の子が35~45cm以下
ミニチュア:男の子が32〜37cm以下、女の子が30~35cm以下
カニーンヘン:男の子が27~32cm以下、女の子が25~30cm以下
歴史
カニーンヘン・ダックスフンドはドイツで誕生した狩猟犬です。狭い穴の中に住むアナグマやウサギなどの小さな動物を狩るのに長けています。
もともとは、カニーンヘン・ダックスフンドよりも大きいスタンダード・ダックスフンドが中世に誕生しました。狩りをする対象の動物がアナグマからウサギ、ネズミ、テンと小さくなるにつれ、ダックスフンドもスタンダード、ミニチュア、カニーンヘンとその大きさを変え、それぞれに適した場所で活躍しました。
ダックスフンドの特徴的な胴長短足の容姿は、狭い穴の中に入って行きやすく、どっしりとした大きな足も、狭い穴の中で体を支え突き進むのに必要なものだったのです。
しつけについて
ダックスフンドは、獲物を見つけると吠えて知らせていた狩猟犬の特性から、吠えやすい傾向があるといわれています。早い段階で、無駄吠えなどのしつけをしっかりしておくことで一緒に暮らしやすくなるでしょう。賢い犬種なので、しつけもしやすい犬種だといえます。
被毛・毛色について
カニーンヘン・ダックスフンドには「スムース・ヘアー」「ロング・ヘアー」「ワイアー・ヘアー」と3タイプの毛質があり、それによってお手入れ方法も変わってきます。
毛色は「単色」「2色」「混合色」があり、「ワイアー・ヘアー」のみ「マルチ・カラー」が存在します。
主な毛色はレッド(明るい茶色)、イエロー(クリーム色)、ブラック(タン・マーキング (※))、チョコレート(タン・マーキング)、ダップル(ブラック、ブラウンのベースカラーに、不規則なグレーやベージュの斑があるもの)、ブリンドル(レッドのベースカラーに暗い色で濃い縞があるもの)、マルチカラー(ワイルド・ボア(イノシシ色))などがあります。
※タン:茶色や黄褐色などの褐色のこと。
マーキング:頭部や体にでるまだら模様のこと。分布や大きさなどさまざまです。

お手入れについて
・トリミング
ダックスフンドの被毛は一定の長さ以上は伸びないため、トリミングは基本的に必要ありません。ただある程度伸びた場合、おしりの周りや耳回りなど、汚れが溜まりやすい場所や、蒸れやすい場所はお手入れをして清潔に保ってあげましょう。
・ブラッシング
カニーンヘン・ダックスフンドはダブルコートのため抜け毛が多く、ブラッシングが必要です。週に1度を目安にブラッシングをしてあげると良いでしょう。また、被毛によってブラッシングのコツが異なります。
【スムース・ヘアーの場合】
短い被毛でツルッとした、光沢のある毛並みです。短毛のため、日々のお手入れも簡単です。獣毛ブラシでホコリや汚れを毛並みにそって払い落としてあげましょう。
時には、ラバーブラシを使ってマッサージをするようにブラッシングをしてあげると、抜け毛も一緒にきれいにしてあげることができます。
【ロング・ヘアーの場合】
長く柔らかい被毛で、美しい毛並みです。毛が長い分ホコリや汚れが付きやすく絡まりやすいため、日々のお手入れは丁寧にしてあげる必要があります。耳の下や足の付け根、しっぽの付け根などは擦れて毛玉になりやすいので、特に意識してブラッシングをしてあげてください。
スリッカーブラシで毛の絡まりをとくようにブラッシングをして、ピンブラシを使って毛並みを整えます。
時々コームを使って、毛の中に埋まった毛玉がないか確認するようにすると、きれいな毛並みを保つことができます。
【ワイヤー・ヘアーの場合】
その名の通り、針金のように硬い毛質をしています。硬い毛質は枝葉から体を守るメリットがありますが、トリミングの仕方によって毛質が変わってしまうこともあります。トリミングに行く場合は、トリマーさんによく相談するのがいいでしょう。
日々のケアは、ピンブラシで毛の絡まりをといてあげましょう。
・歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想です。歯磨きをしなければ歯垢・歯石がたまり、歯周病になりやすくなります。歯磨きが嫌いにならないよう、子犬の頃から歯や口の周辺を触ることに慣れさせましょう。歯ブラシをどうしても嫌がる場合は、歯磨きガムやシートを使うことも考えましょう。
・耳掃除
汚れがない場合には基本的に必要ありません。汚れがついている場合は優しくふき取ってあげましょう。
寿命について
アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、カニーンヘン・ダックスフンドの寿命は、15.0歳と犬の平均寿命14.0歳より長生きです。家庭犬として、長く寄り添える犬種だといえそうです。
気を付けたい病気
カニーンヘン・ダックスフンドが1番気を付けたいのは、「椎間板ヘルニア」です。胴が長いことと、太りやすいため、背骨や椎間板への負担が大きくなってしまいます。
激しい運動をする必要はありませんが、適度な運動で筋力を鍛え、肥満に気を付けてあげましょう。家の中ではソファーやベッドから飛び降りさせない、階段は抱っこする、飛びつかせないようにするなど、負担をかけないよう、生活に工夫が必要です。
「皮膚疾患」「消化器疾患」も多く、かゆみや湿疹、下痢や嘔吐はないか、日々の様子をよく見てあげましょう。健康に見えても、1年に1回は健康診断に行くことで、病気の早期発見につながります。
カニーンヘン・ダックスフンドを迎えるにあたって
カニーンヘン・ダックスフンドの可愛い姿の背景には、狩猟犬という勇敢に活躍した歴史があります。大きさ、毛質、毛色と多くの種類にそれぞれの特徴があり、その魅力は一言では言い表せません。しつけやかかりやすい病気に注意し、長く寄り添えると良いですね。
