猫種図鑑

スコティッシュフォールド 出身地 イギリス

飼いやすさ

特徴

平均体重

男の子3~6kg
女の子3~5kg

被毛

長毛/短毛

毛色

ブラック/シルバー/レッド/クリーム/ブルーなどバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/サファイアブルー/ブルーなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

レッドタビーホワイト

どんな猫?

猫の人気品種ランキングでは、常に上位3位内に入るなど不動の人気が続いているスコティッシュ・フォールド。愛らしい丸顔、全体的に丸みをおびた体が特徴的です。「スコットランドの折りたたまれた物」というのが名前の由来。この名の通り、スコットランドが起源だと言われており、1960年代初頭に発見された耳の折れた猫をベースに繁殖が繰り返され誕生した、比較的歴史の浅い猫種です。

サイズ

スコティッシュ・フォールドの大きさは、猫の種類なかでは平均的な大きさです。体長は約60センチです。女の子よりも男の子の方が若干大きくなります。約1年で成猫になりますが、平均体重は女の子であれば3~5キロ、男の子であれば3~6キロくらいです。 全体的に身体は丸みを帯びていて、しっぽは短いので、丸まっているように見えます。

立ち耳と垂れ耳の種類の違いは?

スコティッシュ・フォールドは垂れ耳になっているのが大きな特徴なのですが、すべてのスコティッシュ・フォールドが垂れ耳というわけではありません。また、折れ具合も個体差によって変わってきます。

スコティッシュ・フォールドは垂れ耳の印象が強いと思いますが、実は一般的な猫と同じような立ち耳のスコティッシュ・フォールドもいます。最近は、そのような猫を「スコティッシュ・ストレート」と呼ぶこともあります。

また、生後まもなくは立ち耳になっているのが一般的で、2週間から3週間くらい経過すると、徐々に耳が折れ曲がってきます。

・なぜ立ち耳と垂れ耳がいるのか?

なぜスコティッシュ・フォールドには、立ち耳と垂れ耳がいるのでしょうか。スコティッシュ・フォールドという猫は、徐々に耳が垂れるように進化してきた種類ではなく、突然変異で生まれた垂れ耳の猫を交配して作った品種です。 耳の垂れている猫になる確率は30パーセント前後で、あとは不十分な垂れ方をしているか、立ち耳になります。スコティッシュ・フォールドという種類の猫は、遺伝が大きく関係しているのです。

スコティッシュフォールドと血統登録

折れ耳がかわいく見えるスコティッシュ・フォールドですが、前出したように遺伝が大きく関係している猫種です。イギリスの血統猫登録団体GCCFでは、1966年に一度登録をしたものの、骨格や聴力の異常も見られるようになったことから、1971年には登録と繁殖を中止しています。

一方、アメリカでは、スコティッシュ・フォールドを繁殖する際、アメリカン・ショートヘアやブリティッシュ・ショートヘアーを交配相手とする「異種交配」をすることで、遺伝性の疾患を少しでも抑えようと試みました。その結果、耳以外の変形の発生率が下がったことから、血統猫登録団体のCFAが1977年にスコティッシュ・フォールドを猫種として登録しています。1978年には、アメリカのすべての血統猫登録団体から猫種として認められています。

日本では親猫の遺伝子検査をすることで、適切な繁殖を行う取り組みが進んでいます。

飼育するときの注意点

スコティッシュ・フォールドと暮らすときに注意すべきことがいくつかあります。第一には適正な体重管理です。比較的運動量の少ない種類の猫と言われており、運動不足から体重オーバーになる場合も。肥満は足腰や内臓に負担がかかり、結果健康を損ねる可能性があるので、適切な体重を保つように気をつけましょう。お気に入りのおもちゃを見つけて、一緒に遊ぶ時間を持つようにするとよいでしょう。

第二は、耳掃除をきちんと行うこと。とくに垂れ耳のスコティッシュ・フォールドの場合、耳の中が湿りやすく、トラブルが発生しやすくなります。定期的に耳のチェックを行いましょう。異常がある場合には早めに動物病院で診てもらうと安心です。

性格

もちろん個体差はありますが、スコティッシュ・フォールドという種類の猫は人なつこく、しつけがしやすい猫と言われています。

・穏やかで甘えるのが好きな子が多い

猫はあまり人になつかない印象が強いかもしれませんが、スコティッシュ・フォールドの場合には、比較的人になつきやすい傾向にあります。スコティッシュ・フォールドは穏やかで甘えるのが好きな子が多いので、一緒に猫と遊びたいという飼い主さんにはおすすめの猫です。甘えん坊のスコティッシュ・フォールドにメロメロになってしまうかも…。

・他の猫よりも運動量が少ない

スコティッシュ・フォールドは比較的運動量が少ない種類の猫と言われています。そのことが、一般的に「おとなしい猫」という印象を与えるのかもしれません。

被毛について

スコティッシュ・フォールドには、短毛種と長毛種の2タイプが存在し、短毛種の方が比較的多くなっています。

・長毛タイプ

長毛のスコティッシュ・フォールドは、自然発生ではなく、人工的に作出されたタイプです。「ハイランドフォールド」「ロングヘアフォールド」とも呼ばれます。被毛が長い分、ゴージャスな印象を与えます。短毛タイプに比べ、被毛のお手入れがやや大変かもしれませんが、毛玉にもなりやすいので、まめにブラッシングをしてあげましょう。

毛玉ができてしまったときは、「コーム」で少しずつほぐしながら、コーミングしてあげましょう。

長毛種より、少し毛の短いセミロングと呼ばれるタイプも存在します。

・短毛タイプ

一般的なスコティッシュ・フォールドは、この短毛タイプでしょう。とても愛くるしい姿をしており、人気の高い猫種です。毛並みがよく触り心地がよいことも人気の理由でしょう。

毛色

スコティッシュ・フォールドにはホワイト、レッド、ブルー、ブラック、ブラウンタビーなど、さまざまな種類の毛色が存在します。また、ソリッド(単色)だけでなく、タビー(縞模様)やキャリコ(三毛)など、色と柄のバリエーションが豊富です。

気を付けたい病気

スコティッシュ・フォールドにも、かかりやすい病気が存在します。少しでも病気のリスクを減らすためには、どのような病気であるのか、どうすれば予防できるのかを知っておくことが大切です。

・関節炎

スコティッシュ・フォールドの折れた耳は、そもそも骨の形成異常が原因。そんな身体的特徴から、他の猫種に比べて筋骨格系疾患の発症が多いと言われます。なかでも関節炎の発症は他の猫種に比べ、約2.5倍にのぼります。さらに、性別にみると、女の子の発症率は、男の子に比べ1.5倍ほど高くなっています。

・軟骨異形成症候群

後肢や前肢の骨に軟骨の塊(骨瘤)が発生して、骨の変形を起こす病気です。スコティッシュ・フォールドに多く、遺伝的に発生するケースが多いといわれています。骨の変形そのものの治療法はなく、痛みが伴う場合には、鎮痛剤や消炎剤を用いる等の対症療法を行なうこともあります。

多くの場合、遺伝によって発生するため、予防することは困難です。歩行異常や四肢の骨に何か異常がみられたときには、獣医師の診断を受けましょう。

・耳の病気が多い

耳が折れ曲がっているスコティッシュ・フォールドは、耳の中の蒸れやすさなどから、「外耳炎」などの耳の病気が多く見られます。耳の病気は気づきにくいため、普段の行動やしぐさにも目を光らせる必要があります。定期的に耳をチェックし、ニオイを嗅いでみたり、また声への反応を意識してみてください。

・内臓疾患にも注意が必要

「肥大型心筋症」に注意しましょう。肥大型心筋症は心臓病のひとつで、心不全や大動脈血栓塞栓症により後ろ足が麻痺するといった症状が出て、突然死の危険性もあります。病気が進行してから気づくことが多い病気ですが、定期的な心臓のエコー検査で、症状が出る前に病気存在に気づくことができます。マメにチェックをしてあげてください。