猫種図鑑

ペルシャ 出身地 アフガニスタン

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~5.5㎏

被毛

長毛

毛色

ホワイト/ブラック/シルバー/ゴールデンなどバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/ブルー/アクアなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

チンチラゴールデン
チンチラシルバー
ブルーチンチラゴールデン

どんな猫?

ペルシャは19世紀後半の世界初の公式キャットショーにも登場した古くからいる猫種です。最大の特徴はそのゴージャスな被毛。全身がふわふわの毛に包まれ、愛嬌のある顔ですが堂々とした風格で気品が漂い、まさに猫の王様です。

身体的特徴

猫界最高のボリュームといえる長くて分厚い被毛で包まれた優美な猫です。毛質は柔らかく、絹のような手触り。愛嬌のあるぺちゃんこ顔も特徴で、目は大きくて丸く、鼻は低めで上向きです。猫の中では中型から大型で、ずんぐりとした体型に短くて骨太の足をしています。毛色や模様はさまざまなバリエーションがあります。

性格

おとなしく、ゆったりとした性格です。大人になると活発に動くことも鳴くことも少なくなります。単独で静かに過ごすことが好きで、人から大げさにかまわれることや、抱っこされることは好みません。でも自分がそうしたい時は、飼い主さんのひざに座ってそのまま動かないことも。気分屋な性格は、まさに猫の王道といったところ。ベタベタと接触する関係は好みませんが、家族に対しては愛情深く、つかず離れずの絶妙な距離感で寄り添ってくれます。

歴史

ペルシャは古くからいる猫種ですが、その正確なルーツは定かではありません。本当にペルシャ(現イラン)と関係があるのかどうかも不明です。わかっていることは、1800年代にアフガニスタン土着の長毛の猫をイギリスで計画的に繁殖して誕生したということです。1871年にロンドンで開かれた世界初の公式なキャットショーにも登場しました。最初に認められたカラーはホワイト。ほかにブラックやレッドが初期に見られ、1920年代にクリーム、チョコレート、ライラックなどが誕生。その後もさまざまなカラーが開発されています。

飼い方

長毛猫の代表格といえるペルシャは、毎日の丁寧なケアが欠かせません。ペルシャと楽しく暮らすための飼い方のポイントをみていきましょう。

・環境づくり

おとなしい性格のため、遊ぶことや高いところに登って運動するようなことは好みません。歩き回ることで運動してもらえるように、なるべく広い範囲で自由に動けるようにしましょう。おもちゃも用意して、猫の気が向いた時にはしっかり遊べるようにしてください。

豊かな長毛ゆえに、抜け毛の量も多くなります。猫の毛を掃除できていないと、猫にも人にもアレルギーの原因になってしまいます。毛が絡みやすい絨毯はやめて、フローリングまたはフローリング調のカーペットを敷くなど、掃除をしやすい環境づくりを心がけてください。

また、猫が快適な温度で過ごせるように室温の管理に気を配りましょう。夏は空調を使うだけでなく、カーテンを閉めて直射日光が入らないようにする、冷たい床の上など猫が心地よい場所に移動できるようにする、猫用の冷却マットを置くなどして、熱中症を防ぎましょう。

・食事

運動量が多くないので肥満に気をつける必要があります。毛が多いので太っているのか痩せているのかわかりづらいですが、体をチェクしながら、食事の量を調整して適切な体重維持を心がけましょう。毛の量が多い猫なので、飲み込んだ毛をスムーズに排出できるようにサポートしてくれる「毛玉ケア」フードを選ぶのもいいでしょう。

・ケア

ペルシャの豪華な被毛と健康を維持するには、毎日のグルーミングが必須です。長い毛をそのままにしておくと、毛玉や皮膚炎の原因になることも。毎日の丁寧なお手入れを習慣にして美しい毛を保ちましょう。あごや胸、お腹は毛玉ができやすいので特に丁寧に。シャンプーも月1回程度行いましょう。できるだけシャンプーを嫌がらないように、子猫のうちから慣らしておきましょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ペルシャの平均寿命は14.3歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので、数字だけ見れば少し短めです。しかし、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

気を付けたい病気

どんな猫種にもかかりやすい病気があります。ペルシャがかかりやすい病気を知って、予防や早期発見に役立ててください。

・多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

腎臓に嚢胞と呼ばれる液体がたまった袋状の構造物が多数できて、腎機能が徐々に低下する病気。ペルシャに多い遺伝性の病気です。初期には目立つ症状はありませんが、進行すると慢性腎臓病と同じ多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった症状がみられます。根本的な治療法はなく、病気が見つかった場合は投薬と食事療法で対処します。日頃から飲水量や尿の量、体調をよく観察し、心配なことがあれば動物病院を受診しましょう。

・流涙(りゅうるい)症

目と鼻をつなぐ鼻涙管が詰まったり狭くなったりすることで、いつも涙が流れている状態になります。ペルシャのような鼻が短い猫で起こりやすくなっています。命に関わることはありませんが、目のまわりがいつも濡れていることで皮膚が炎症を起こすことも。涙があふれていたらこまめに拭き取りましょう。

・毛球症

猫は自分の体をなめて毛づくろいをしますが、その際に毛を飲み込んでしまっています。飲み込んだ毛は通常は排出されますが、飲み込んだ量が多いと、胃や腸の中で絡まって毛球になってしまいます。これがそのまま留まることで嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。

症状が軽い場合は薬を舐めさせて便と一緒に毛玉を排出させますが、毛球が消化管の流れを悪くしている場合や完全に詰まらせている場合は、手術をして取り出すことも。日頃からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげることが予防になります。特に換毛期にはブラッシングの回数を増やして抜けた毛を取り除きましょう。もし食欲不振や、何度も吐くといった症状が見られた時は早めに動物病院を受診してください。

ペルシャをお迎えするにあたって

ペルシャは古くからいる猫種ですが、現在も世界中で愛されていて、日本での飼育数も少なくありません。家族としてお迎えすれば、モフモフの毛並みと愛嬌のある顔、独特の気品、落ち着いた性格でたくさんの癒しを与えてくれることでしょう。猫にとって心地よい距離感を保ちつつ、愛情をいっぱい注いで飼い続けてくださいね。