猫種図鑑

メインクーン 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

4~8㎏

被毛

長毛

毛色

ブラック/ホワイト/レッド/クリームなどの色に加え、単色/しま模様などバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/ブルーなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブラウンクラシックタビーホワイト
ブルータビー
レッドタビーホワイト
キャリコ

どんな猫?

メインクーンはアメリカ原産の猫とされており、もともとアメリカにいた短毛種の猫と欧州からやってきた長毛種の猫が交配して誕生したと言われています。アメリカでは非常に長い歴史を持つ猫種のひとつで、体の模様、狩りの習性などはアライグマによく似ているとも言われています。水に対しても強く、分厚い毛とどっしりとした骨格が特徴の大型猫です。昔はネズミを取るために飼われていました。

メインクーンの起源には、ユニークな諸説があります。そのひとつが、野生の猫とアライグマのかけ合わせにより誕生したとする説。生物学的には不可能な組み合わせですが、立派なしっぽや毛色など、アライグマに似ていることから広く信じられていたようです。実際、「メインクーン」の「クーン(coon)」は「アライグマ(raccoon)」に由来しています。

もうひとつのおもしろい説は、「マリー・アントワネットの愛猫から派生した」説。フランス革命時、亡命を企てたマリー・アントワネットがフランスから逃がそうとした6匹の愛猫がアメリカに渡り、起源となったというものですが、真偽のほどは確かではありません。

サイズ

メインクーンは猫の巨人と言われるほど大きくなる猫で、体長は1メートルほどになります。女の子より男の子のほうが大きくなるのが一般的で、猫の血統登録機関「TICA」では、男の子の体重は約6キロ~8キロ、女の子は約4キロ~6キロがスタンダードとされています。

・子猫の体重や大きさは?

メインクーンは、大体1年から3年で成猫になります。生まれて1ヵ月前後経過した子猫は500グラムから1キロくらいです。2ヵ月が経過すると、1.5キロくらいまで成長する猫もいます。半年経過すると、4キロ前後になり、毛もしっかりと伸びてきます。1年くらいで成猫とほとんど変わらない大きさや重さになるのですが、3年ほどは成長の余地があります。

・大きさはギネス記録にも

2018年、イタリアに住む当時2歳だったオスのメインクーン「バリベル」が世界最長の猫としてギネス記録に認定されました。そのときのバリベルの体長は120㎝、セミダブルベッドの横幅とほぼ同じ大きさです。

毛色

猫は同じ種類であってもさまざまな毛色をしていますが、これはメインクーンも同じ。ブラックやホワイト、レッド、グレー、クリームなどの色に加え、ソリッド(単色)、タビ―(縞模様)などパターンも豊富です。

性格

猫はあまり人にはなつかず、1頭で行動することが多いイメージがあるかもしれませんが、メインクーンは温厚で人になつきやすい猫種です。飼い主さんはもちろん、他の猫や動物種、赤ちゃんとうまくつき合える子も多いでしょう。また、賢い性格のため、トイレの方法や、むやみに噛みついたり引っかいたりしないようしつけることも、比較的短期間で行うことができるかもしれません。

・オスとメスで性格が異なる?

同じ環境で生活をしたとしても、男の子と女の子では性格が異なるのが一般的です。

女の子よりも男の子のほうが性格は温厚で、人になつきやすい傾向があります。比較的おとなしいく、しつけやすいのも男の子です。女の子は、男の子より活発でよく動き回ることが多く、単独での行動を好みます。

おとなしく暮らしたいという人には男の子が適していますし、おもちゃで一緒に遊びたいという人には女の子が適しています。もちろん個体差があるので、男の子だから必ずしもおとなしい、女の子だから活発というわけではありません。

育て方

人なつこい性格から、比較的育てやすい猫種と言えるかも知れませんが、やはり忘れてはいけないのが、かなり身体が大きくなるということ。通常の猫より大きめの居住スペースや多めの食事量が必要になるかもしれません。また、長毛種であることから、日々のブラッシングで被毛ケアをすることもお忘れなく。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、メインクーンの平均寿命は12.9歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので、数字だけ見れば少し短めです。しかし、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

気を付けたい病気

猫によってかかりやすい病気も変わってきます。メインクーンの場合には、肥大型心筋症や多発性のう胞腎という病気が発症しやすい傾向にあります。いずれも発症するか否かは遺伝要因が大きく、予防ができない病気です。しかし、万が一発症した場合、症状の進行を遅らせ、長くお付き合いしていくために、どのような病気であるのか知っておくことが大切です。

・肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓病のひとつです。若いころから発症する場合もありますが、基本的には高年齢で多く、オスの方がかかりやすいと言われています。病気が進むと、心不全を起こしたり、大動脈血栓塞栓症により後ろ足が麻痺するといった症状により、突然死する危険性もあります。病気が進行してから気づくことが多い病気ですので、定期的な心臓のエコー検査で、症状が出る前からケアしてあげることが重要です。

・多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

多発性嚢胞腎も、根本的な治療法が存在しない病気のひとつです。初期は無症状ですが、腎臓に少しづつ嚢胞(のうほう)が作られ、正常な腎臓の組織や機能に負担がかかり、腎臓の機能が低下していきます。腎不全の症状が強くでる前にも、定期的な腎臓のエコー検査で見つけることができます。