猫種図鑑

ラガマフィン 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

4.5~9㎏

被毛

長毛

毛色

毛色や模様はバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/ブルー/アクアなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

レッドタビーホワイト
ブルータビーホワイト
ブラウンタビー
ダイリュートキャリコ

どんな猫?

ラガマフィンは大型で長毛の猫。体だけでなく心も大きく、やさしくて家庭に穏やかに順応するといわれています。日本ではまだ珍しい方ではありますが、その特徴から近年人気が上昇している猫種です。

身体的特徴

大きな体がふわもこの毛に包まれて、ぬいぐるみのテディ・ベアに例えられることもあるかわいらしい猫です。長めの毛は滑らかな手触りで、しっぽは長くフサフサです。目は大きく表情豊か。体は筋肉質で見た目以上に重さがあります。個体差はありますが体重はおよそ4.5〜9kgと時に10kgにまで迫る大きさです。愛らしさとたくましさを兼ね備えた猫といえるでしょう。体が成長するのに時間がかかり、4歳でようやく成熟します。毛色や模様はさまざまなバリエーションがあります。

性格

やさしくおおらかな性格で、子どもと遊ぶこともできます。落ち着いていて、運動量は多い方ではないものの、遊び心があり、おもちゃで誘うとすぐに遊びにのってきます。飼い主さんのひざの上などでのんびりと過ごすことが多く、甘え上手で性格も愛らしい猫です。

歴史

ラガマフィンはラグドールの新種として登場しましたが、その経緯は少し複雑なものでした。アメリカにおいてラグドールの品種管理をめぐって愛好家が対立し、1990年代にラグドールの血統を管理する協会から数人の愛好家が脱退しました。彼らは商標登録の都合でそのままラグドールを繁殖できなかったため、ラグドールとペルシャを交配して新しい猫種を誕生させました。それがラガマフィンです。

なお、品種名となったラガマフィンという言葉は「いたずらっ子」「ぼろをまとった子ども」などという意味で、当初は冗談でこの名前がつけられましたが、そのまま定着してしまったということです。ほかに「見下げ果てたやつ」という意味もあり、冗談というよりも、相当な確執があったことの表れかもしれません……。この猫の愛らしい容姿や穏やかな性格からはとても想像できない成り立ちですね。

飼い方

体も心も大きなラガマフィン。一緒に生活するうえでどんなことに気をつければいいのでしょうか。注意したいポイントをみていきましょう。

・環境づくり

大型の猫なので、お迎えする前に広いスペースを用意しておく必要があります。健康面を考えると室内飼育が理想なので、室内で猫が過ごすスペースをできる限り広くとりましょう。飼い主さんに甘えたがる猫なので、大きめのチェアやソファなど、猫と一緒にくつろげる場所をしっかり用意すると、喜んでくれるかもしれません。 また、室内の温度管理にも気を配りましょう。夏はクーラーを使うだけでなく、カーテンを閉めて直射日光が入らないようにする、猫用の冷却マットを置くなどして、熱中症対策を。冬には毛布を用意するなどして、風邪を引かせないようにしましょう。床暖房やこたつを使う時は、猫が暑いと感じた時にその場からすぐ離れられるような工夫をしておきましょう。

・食事

体が大きいのでよく食べますが、運動はあまりしないため、肥満に注意が必要です。高タンパク、高カロリーの良質なフードを適度に与え、おやつをあげすぎることや、人の食べ物を与えることはないようにしてください。

・ケア

長めで厚い被毛ですが、絡まりにくいので週2〜3回のブラッシングできれいに保つことができます。撫でられることが好きなので、ブラッシングも喜んでやらせてくれるでしょう。お手入れがてらマッサージなどもして、楽しいコミュニケーションの時間にしていきましょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ラガマフィンの平均寿命は13.5歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので、数字だけ見れば少し短めです。しかし、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

気を付けたい病気

どんなに大切に飼っていても、病気にかかってしまうことはあります。あらかじめかかりやすい病気を把握して、早期発見、早期治療につなげましょう。

・尿石症

尿中のミネラル成分が腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器官で結晶化し結石になることで、頻尿、血尿、食欲不振などの症状があらわれます。結石が尿路に詰まって尿道閉塞を起こすと尿がまったく出なくなります。尿道が閉塞すると超音波やカテーテルによる治療のほか、外科手術をすることもあります。

予防として、肥満にならないようにすること、新鮮な水をいつでも飲めるようにすること、排尿しやすい環境作り、ストレスを溜めないようにする、などがあげられます。さらに日頃から尿の状態(1日の回数、色、臭い)をチェックし、異常があれば早めに受診を。

・皮膚の病気

アレルギーやノミ、ダニ、ストレスなどさまざまな原因によって皮膚に炎症が起こり、かゆみや赤み、脱毛、湿疹、フケなどがあらわれます。猫が体をかゆがっている時や、皮膚の異常に気づいた時は動物病院を受診しましょう。早めに治療することが、悪化を防ぐことにつながります。

・毛球症

猫は自分の体をなめて毛づくろいをしますが、その際に毛を飲み込んでしまっています。飲み込んだ毛は通常は排出されますが、飲み込んだ量が多いと、胃や腸の中で絡まって毛球になってしまいます。これがそのまま留まることで嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。

症状が軽い場合は薬を舐めさせて便と一緒に毛玉を排出させますが、毛球が消化管の流れを悪くしている場合や完全に詰まらせている場合は、手術をして取り出すことも。日頃からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげることが予防になります。特に換毛期にはブラッシングの回数を増やして抜けた毛を取り除きましょう。もし食欲不振や、何度も吐くといった症状が見られた時は早めに動物病院を受診してください。

ラガマフィンをお迎えするにあたって

大きな体と心で、飼い主さんの一途な愛情もどーん! と受け止めてくれそうなラガマフィン。愛情を注がれることで生き生きするといわれているので、猫を飼ったらとにかくかまいたい、一緒に遊んで、膝に乗せて、スキンシップも大切にしたいという方にぴったりです。もしお迎えしたら、思う存分愛情を注いでくださいね。