猫種図鑑

ヒマラヤン 出身地 イギリス

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~5.5㎏

被毛

長毛

毛色

毛色や模様はバリエーションが豊富

目の色

サファイアブルー

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

シールポイント
ブルーポイント
トーティポイント

どんな猫?

ヒマラヤンは、ふわふわの長毛にシャム猫のような模様が愛らしい猫。猫界の王様と呼ばれるペルシャとシャム(サイアミーズ)を交配して生まれました。ひとつの品種のように扱われていますが、多くの猫協会でペルシャのカラーバリエーションという位置付けになっています。

身体的特徴

一番に目が留まる豪華な毛は、長くて分厚く、なめらかな手触り。首周りにも飾り毛があり、もこもこです。シャムと同様に顔と足先と尾が濃い色になっています。毛に包まれた体はずんぐりとしていて、しっかりとした骨格。頭は大きくて丸く、鼻が短いことも特徴です。

性格

性格はペルシャよりで、もの静かでのんびりと過ごします。高いところに登るのは得意ではありません。その動きはとても上品です。ただ、ほかのカラーのペルシャよりも社交性が高く、知らない人にも懐っこく接してくれます。子どもやほかのペットともうまくつき合うことができます。遊ぶことも大好きで、飼い主さんにはできるだけ自分に注目して一緒に遊んでほしいと思っています。

歴史

1930年代のアメリカで「長毛でずんぐり体型のペルシャにシャム猫の美しいポイントカラーを加えたい!」と考えたブリーダーたちによって、計画的な繁殖が行われました。慎重な交配を重ねた結果、ヒマラヤンが誕生。ポイントカラーがヒマラヤンという品種のウサギに似ていることから、この名前がつきました。その後爆発的に人気となりひとつの猫種として認定されたこともありましたが、現在ではほとんどの猫協会がペルシャの一部門としています。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。その猫がどのくらい生きるのかは、もって生まれた資質や環境などによって変わってくるものです。大切に飼って長寿を目指しましょう。

飼う上で知っておきたいこと

どんな猫でも、その猫に合わせた環境づくりと飼い方をすることが長く健康に暮らしていくコツになります。品種の特徴によっても、適切な環境やケアは変わってくるものです。そこでヒマラヤンを飼う上で注意したいポイントをご紹介します。

・環境づくり

運動量は多くありませんが、飼い主さんと遊ぶのは大好きです。おもちゃを用意してたくさん遊べるようにしましょう。また、歩き回ることでなるべく運動してもらえるように、できるだけ広い範囲で自由に動けるようにしましょう。

長毛の猫なので、たくさんの毛が抜け落ちます。きちんと掃除ができていないと、不衛生なだけでなく、猫にも人にもアレルギーの原因に。毎日しっかりと室内を掃除しましょう。毛が絡みやすい毛足の長い絨毯はやめて、フローリングまたはフローリング調のカーペットを敷くなど、掃除をしやすい環境にしておくと良いでしょう。

・ごはんについて

活発に動くことは少なく、おとなしく過ごすので太りやすい猫種です。時折、体をチェックしながら、日々の食事の量に注意して適切な体重維持を心がけましょう。また、毛の量が多い猫なので、飲み込んだ毛をスムーズに排出できるようにサポートしてくれる「毛玉ケア」フードを選ぶのもいいでしょう。

・ケアについて

長毛のため、丁寧にブラッシングをする必要があります。きちんとケアできていないと、毛玉ができたり、汚れがたまって皮膚炎になったりすることも。毎日コツコツとお手入れを続けて、美しい毛を維持しましょう。毛玉ができやすい顎や胸、お腹は特に丁寧に。シャンプーも必要です。できれば月に1度くらいの頻度で行うと良いでしょう。

気を付けたい病気

大切に飼って健康管理に気を配っていても、病気になってしまうことはあります。あらかじめかかりやすい病気を知って、気になることがあれば受診し、早期発見、早期治療を目指してください。

・尿石症

尿中のミネラル成分が腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器官で結晶化し結石になることで、頻尿、血尿、尿が出ない、食欲不振などの症状があらわれます。排尿の際に背中を丸めて痛がる様子を見せることも。結石が尿路に詰まって完全閉塞を起こすと尿がまったく出なくなります。こうなると尿毒症や膀胱破裂を起こす可能性も。尿道が閉塞すると外科手術をすることもあります。

予防として、肥満にならないようにすること、新鮮な水をいつでも飲めるようにすること、排尿しやすい環境作り、ストレスを溜めないようにする、などがあげられます。さらに日頃から尿の状態(1日の回数、色、臭い)をチェックし、異常があれば早めに受診を。

・毛球症

猫は自分の体をなめて毛づくろいをしますが、その際に毛を飲み込んでしまっています。飲み込んだ毛は通常は排出されるのですが、飲み込んだ量が多いと、胃や腸の中で絡まって毛球になってしまいます。これがそのまま留まることで嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。

症状が軽い場合は毛玉ケアの薬を舐めさせて便と一緒に毛玉を排出させますが、毛球が消化管の流れを悪くしている場合や完全に詰まらせている場合は、手術をして取り出すことも。日頃からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげることが予防になります。特に大量の毛が抜ける換毛期にはブラッシングの回数を増やして抜けた毛を取り除きましょう。もし毛球症の症状が見られた時は早めに動物病院を受診してください。

・流涙(りゅうるい)症

目の病気や、目と鼻をつなぐ鼻涙管が詰まったり狭くなったりすることが原因で、いつも涙が流れている状態になります。ヒマラヤンのような鼻が短い猫がかかりやすい病気です。命に関わるようなことはありませんが、目のまわりがいつも濡れていることで皮膚が炎症を起こすことも。目の病気が関係していることもあるので、気づいたら動物病院を受診しましょう。

ヒマラヤンをお迎えするにあたって

ヒマラヤンはペルシャのカラーバリエーションとされていますが、シャムの影響か、ほかのカラーのペルシャよりも社交的で遊び好きな一面も。もし家族として迎え入れたら、たくさん遊んで、毎日お手入れをして、大切に育ててくださいね。きっと猫も飼い主さんの愛情に応えて、素敵な時間をたくさん共有できることでしょう。