猫種図鑑

ボンベイ 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3.5~5㎏

被毛

短毛

毛色

ブラック

目の色

ゴールド/オレンジ/カッパー

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブラック

どんな猫?

「小さな黒ヒョウ」といわれるボンベイは、アメリカンショートヘアとバーミーズから生まれた猫種。その姿はワイルドですが、おとなしくて家庭的な性格です。

身体的特徴

単なる黒猫と思ってはいけません。漆黒ともいえるほど全身が本格的な黒で、光沢があります。毛は短くて密度が高く、サテンのような滑らかな手触り。目はゴールドからオレンジ、カッパーと呼ばれる暗めのオレンジで、爛々と輝いています。コンパクトでありながら筋肉が発達した身体で、猫の中では中型。まさに小さな黒ヒョウを思わせる佇まいです。

性格

ヒョウのような見た目に反して、おだやかで愛情深く社交的な猫です。賢く好奇心旺盛で活発な一面も。飼い主さんが大好きですが、一人に執着することはなく、家族みんなの輪に入って過ごすことを好みます。犬のようにコミュニケーションがとりやすく、投げたボールを取ってくる遊びも好むといわれています。子どもやほかのペットとも仲良く暮らすことができます。

歴史

ボンベイはひとりのブリーダーの熱意と、多くの猫関係者の協力によって誕生しました。1950年代にアメリカのあるブリーダーが「小さなヒョウのような猫種を作りたい!」と考え、ブラックのアメリカンショートヘアとセーブルという毛色のバーミーズの交配を始めました。最初は思うような子猫が生まれず、そのうちにバーミーズのブリーダーたちの反感も買ってしまい、簡単にはいきませんでした。それでも諦めることなく、たくさんの人たちに協力を呼びかけて交配を続け、1976年についにアメリカの猫協会(CFA)で公認猫種として認定されました。名前は黒ヒョウの生息地であるインドのボンベイにちなんで、ボンベイ(現ムンバイ)とつけられました。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。ボンベイという品種自体の寿命ははっきりしていませんが、その猫がどのくらい生きるのかは、もって生まれた資質や環境などによって変わってきます。大切に飼って長寿を目指しましょう。

飼う上で知っておきたいこと

見た目に反しておだやかな性格で、一緒に暮らしやすい猫といわれるボンベイ。この猫を飼うには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。お迎えするにあたって知っておきたい飼い方のポイントをまとめました。

・環境づくり

賢くて運動が好きな猫なので、家具の上を片付け、キャットタワーを設置するなどして登って遊べる場所を用意しましょう。できるだけ広い範囲を動きまわれるようにして、一緒に遊べるようにおもちゃも準備しておきましょう。

長時間一人で過ごすことは苦手です。単独で長時間留守番をさせることのないようにしましょう。

・ごはんについて

猫のフードはさまざまなものが売られています。毎日の食事は良質なフードを選び、成長段階に合わせて切り替えていきましょう。

・ケアについて

短毛なのでお手入れはそれほど大変ではありません。ブラッシングの目安は週1回程度。忘れないように定期的にケアをして、お手入れの際は皮膚の状態も観察して健康管理に活かしましょう。

気を付けたい病気

どんなに気をつけていても、病気にかかってしまうことはあります。事前にかかりやすい病気を知って、日頃から気をつけてあげましょう。

・歯周病

人だけでなく、猫も歯周病にかかることがあります。猫が歯周病になると、歯肉が赤くなる・腫れる、出血、口臭、よだれが出る、歯がぐらぐらする、食欲不振などの症状がみられます。炎症を起こした部分から細菌が入ることで、ほかの臓器に病気を起こすおそれも。歯垢や歯石の除去と投薬で治療しますが、進行段階によっては抜歯することもあります。炎症の原因となる歯垢や歯石がたまってしまわないように定期的に歯磨きをして予防しましょう。

・肥大型心筋症

心臓の筋肉が肥大することで心室(心臓のポンプ内部)が狭くなり、心不全を起こす、猫全体でも良く見られる病気です。症状は、元気がない、食欲低下、体重の減少などがみられます。

進行すると、心臓内の血流に乱流がおきることで血栓ができ、それが原因で突然後ろ足が麻痺したりすることや、肺水腫(血流の滞留が起き、肺の中に水分が溜まる状態)を起こし、重篤化することもあります。この病気を治す治療法はなく、進行を抑えながら症状にあわせた治療をしていくことになります。日常生活でできる予防法はありませんが、定期的に健康診断を受けることで早期発見ができます。

・皮膚疾患

アレルギーやノミ、ダニ、ストレスなどさまざまな原因によって皮膚に炎症が起こり、かゆみや赤み、脱毛、湿疹、フケなどがあらわれます。猫が体をかゆがっている時や、皮膚の異常に気づいた時は動物病院を受診しましょう。

ボンベイをお迎えするにあたって

ボンベイは日本では希少な猫種ですが、猫の飼育数が増えるにつれて日本でもさまざまな品種の猫が見られるようになっています。今後、ボンベイを見かける機会も増えていくかもしれません。もしこの猫とご縁があってお迎えしたら、愛情を注いで大切に飼い続けてくださいね。きっとかけがえのない家族の一員となって、猫からもたくさんの愛情が返ってくるでしょう。