猫種図鑑

セルカークレックス 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~6.5kg

被毛

短毛/長毛

毛色

毛色や模様はバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/サファイアブルー/ブルー/アクアなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

レッドタビー
ブラウンタビーホワイト
ブルーホワイト

どんな猫?

セルカークレックスは比較的最近になって発見された猫種のひとつと言えるでしょう。やや大きめでがっちりとした体型(セミコビータイプと言います)で、くるんと大きな目も印象的です。

全身はくるくる、または、もこもこっとした柔らかく縮れた毛に覆われており、この巻き毛がセルカークレックスの猫たちの最大の特徴となっています。セルカークレックスの別名に「羊の服を着た猫」というものがありますが、この天然パーマのような毛を見ると、納得ですね。

さまざまな毛色の子がいますが、毛の長さはショートヘアとロングヘアに分かれます。どちらの子もまるで綿菓子のように見えるかもしれません。その姿は私たちを一瞬でとりこにするかわいらしさです。

性格

セルカークレックスはその見た目と同じで、柔らかな性格。おっとりとしていて、甘えたがりな子が多いと言われています。そのため、先住の猫や別の動物がいたり、小さなお子さまがいるご家庭でも飼いやすいとされています。

一方で、さみしがり屋な一面も。そのため「遊んでほしい」と甘えてきたら満足するまで構ってあげるといいでしょう。ストレスなく健やかに育ってくれるようにしてあげましょうね。

歴史

「奇跡の猫」という別名も持つセルカークレックス。その理由は、この猫が発見された経緯が深く関わっています。

1987年、アメリカのモンタナ州 というところの猫の保護施設に引き取られた一匹の巻き毛の猫。この子があるブリーダーの目に止まり、モンタナ州に移されます。そこでペルシャと交配されたのですが、生まれた6匹の子猫のうち3匹が、いまで言うセルカークレックス特有の巻き毛を持った子たちだったのです。

親猫だけでなく子猫にも特有の巻き毛が引き継がれたことから、「どの種類の猫の巻き毛とも違う、新しい猫種なのでは?」となり、猫種として扱われるようになりました。

ちなみに、セルカークレックスとは「セルカークの巻き毛猫」といった意味で、セルカークとはワイオミング州の近くにあるセルカーク山脈に由来していると言われています。

セルカークレックスは飼いやすい?

セルカークレックスの猫たちは、多くの子がすばしっこくて運動量も多いのが特徴です。ちょこちょこと走ったり、コロコロと寝転がったりする姿を見ると、飼い主ならずともほんわかとあたたかい気持ちになることでしょう。

そんなセルカークレックスを迎えたなら、お家の中でも旺盛な好奇心とアクティブさを発揮できるようにひと工夫してみましょう。たとえば、キャットタワーを用意したり、一緒に遊べるおもちゃを用意しておくといいですね。

運動量の多い猫でも、歳を重ねるごとにじっとしたがるようになるものです。子猫のうちからしっかり運動習慣をつけるようにして、将来の肥満対策としてあげましょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。セルカークレックスという品種自体の寿命ははっきりしていませんが、その猫がどのくらい生きるのかは、もって生まれた資質や環境などによって変わってきます。大切に飼って長寿を目指しましょう。

飼う上で知っておきたいこと

セルカークレックスは、前述の通り運動量が多い子だと言われています。そうした特徴を含め、どのように健やかな生活をキープしていくか、いくつかのテーマに添ってご紹介したいと思います。

・ごはんについて

セルカークレックスにかぎらず、すべての猫にとって、健康を維持するために食事はとても大切なものです。まず、猫の食べ方の習性という視点から、いつどのタイミングでフードを与えるべきか、考えてみましょう。

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン〜犬・猫の健康を守るために〜 」によると、猫は、 昼夜を問わずに頻繁に少量ずつ食べる習性があるとのことです。そのため「1日分を2~3回に分けて与えるか、 腐敗の危険性が低いドライフードを置き餌として使って、 いつでも食べることが出来るようにしてもよいでしょう。 ただし、 置き餌の場合でも、常に清潔で新鮮な状態にし、 衛生を保つことが重要です。水分の多いウエットフードや手づくりのフードなどは、 そのまま放置しておくと腐りやすいため、食べ残しはそのままにしないで、すぐ片付けましょう 」とされています。

フードの栄養についても注意が必要です。たとえば、猫は肉食性なので、私たちよりずっとたんぱく質を必要としています。また、人間や犬の身体で作ることができる栄養素を作ることができないため、食事で補う必要があります。

そうした知識を身に付けることも、飼い主の責任として心得ておきましょう。

さらに 、セルカークレックスの場合、成猫になるまで少し長い時間がかかると言われています。その間は高たんぱくな食事を心がけ、大人になったら肥満に気をつけるよう配慮してあげる必要があります。

・運動のタイミング

運動が大好きで、動きも活発なセルカークレックス。飼い主は「いつ運動させたらいいだろう?」と思うかもしれません。しかし、猫たちは元来、マイペースに生きることが一番心地よいと感じる生きもの。

あえて「何時間ごとに運動させよう!」と決めずに、彼らのペースに合わせてあげることがベターです。

もし、お家にキャットタワーやおもちゃがあれば、それで遊んでくれるはず。もし飼い主に甘えてきたり、遊んでほしいサインを送ってきたら心ゆくまで遊んであげましょう。

ですが、「最近、この子動いてないな」とか「ちょっとからだにお肉が付いてきたな」と感じたなら、わが子の好奇心をくすぐるようなおもちゃなどで興味をひきつけ、運動するようにしてあげてくださいね。

・ケアについて

セルカークレックスの毛は、くるくる、ふわふわとしているので、抜け毛の心配よりもまずは「毛を清潔に保つこと」と「絡まったりしないように」ということを心がけてあげることが大切です。定期的なシャンプー だけでなく、1日に1回くらいはブラッシングをしてあげるといいですね。

また、シャンプーが難しい子の場合は、蒸しタオルや固く絞ったタオルで丁寧に拭いてあげるといいでしょう。皮脂やよごれが取り除かれれば、またふわふわの毛に戻るはずですよ。

最も気をつけるべき季節である夏は、抜け毛が多くなりやすい傾向があります。また、暑さがこもってしまいストレスを感じてしまうことも懸念されます。ぜひ、夏場のケアは入念に。涼しさを保つなど、生活環境にも十分に配慮してあげてくださいね。

気を付けたい病気

がっしりとしたからだから、丈夫そうに感じられるセルカークレックス。ですが、惜しみなく愛情を注ぎ、日々注意していたとしても、病気にかかることだってあり得ます。迎えるにあたり、事前にかかりやすい病気を知っておくことで、早期発見・早期治療に繋げられるようにしてあげましょう。

・多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

一度起きてしまうと現段階では残念ながら治ることがない病気です。遺伝性で、親猫のどちらかがこの病気だった場合、50%の確率で遺伝してしまうと言われます。 腎臓に水がたまった袋(嚢胞)がたくさんできて腎臓の働きが徐々に低下し、腎不全を引き起こす恐れがあり、治療方法は確立していません。しかし、遺伝子診断で早期発見することができます。猫を迎えるタイミングによりますが、「まだまだ遊び盛りのはずなのに、うちの子、あんまり運動しないな、あんまり食べないな」といった変化が見られたなら、早急にかかりつけ医に相談しましょう。その際、もし親猫さんが多発性嚢胞腎だったなら、それを伝えることが大切です。