猫種図鑑

シャルトリュー 出身地 フランス

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~6.5kg

被毛

短毛

毛色

ブルー

目の色

ゴールド/オレンジ/カッパー

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブルー

どんな猫?

おしゃれな名前から容易に想像できるように、フランスがルーツのシャルトリュー。「フランスの笑う猫」「フランスの宝」とも呼ばれています。シャルル・ド・ゴール元フランス大統領や女性作家のコレットにも飼われていました。一体どんな猫なのか、さっそくその特徴を見ていきましょう。

身体的特徴

まず一番の特徴は、ふわふわで美しい毛並み。短毛に分類されますがどちらかといえば中くらいの長さで、アンダーコートが分厚くその毛質はよくウールに例えられます。毛色はブルーグレーのみで、表面はビロードのようになめらかです。瞳の色はカッパーかゴールド、オレンジ。きれいな毛並みに明るい瞳でたたずむ姿は優雅そのものです。一方で頭は丸く、頬も丸みがあってまるで微笑んでいるような口元は、とても愛嬌があります。

体重は3〜6.5kgほどで猫のなかでは中〜大型。身体は肩幅が広く、がっしりとした体格ですが、その割に脚と首は短めで、細い脚をしています。その体型は「じゃがいもにマッチ棒をさしたよう」と表現されます。動作は敏捷で遊ぶのも大好き。ずんぐりした身体に短めの手足で必死に遊ぶ姿は愛らしくコミカルでもあり、飼い主さんを癒してくれるでしょう。後ろ脚で立ちあがるのが得意で前脚を使って手招きをする動作から「ベア・キャット」とも呼ばれています。

性格

「犬のような猫」と表現されるように、飼い主さんに忠実で従順な猫です。賢くしつけもしやすいといわれますが、時には自分の気分を優先する猫ならではの茶目っ気もあります。洞察力もあり、人のことをよく見ているといわれます。

温和な性格で知られていて、嫉妬をすることも少ないので多頭飼いはもちろん、他のペットと一緒に飼うこともできます。あまり鳴くことはなく、鳴いても小さな鳴き声です。

歴史

シャルトリューはフランスに古くから生息していた猫。その歴史や名前の由来は諸説ありますが、「ACCスタンダードブック(中央ケネル事業協同組合連合会・アジアキャットクラブ編)」によると「シャルトリュー派の修道士達」に飼われてきたことがその名の由来とあります。修道院ではネズミ退治を担い、書物や穀物を守っていたそうです。

美しすぎる被毛のため、中世から20世紀初頭まで毛皮を取るために飼育されていましたが、ハンティング能力が評価されるようになり、ワーキングキャットとしてフランス全土へ広がっていきました。

1960〜70年頃にアメリカへ渡り、1987年にアメリカ猫協会(CFA)の公認猫種として認定。日本には1970年代に輸入されました。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。シャルトリューという品種自体の寿命ははっきりしていませんが、その猫がどのくらい生きるのかは、もって生まれた資質や環境などによって変わってきます。大切に飼って長寿を目指しましょう。

飼う上で知っておきたいこと

フランス生まれの優美で愛嬌あるシャルトリュー。この猫と仲良く楽しく暮らしていくには、どんなことに気をつければいいのでしょうか。どんなどうぶつでも、その生態や特徴をよく知った上で飼育することが大切であることは、いうまでもありません。さっそくシャルトリューの飼育ポイントを見ていきましょう。

・環境づくり

ハンティング能力が高く、ワーキングキャットとして活躍していたシャルトリューは、身体を動かして遊ぶことが大好き。おもちゃは飽きないように複数用意して、たっぷり遊ぶようにしましょう。体が大きいので、キャットタワーを用意する場合は丈夫でぐらつかないものを設置してください。

また、短毛ではありますが、毛が密生しているため、熱中症になりやすい猫種です。夏場は特に温度管理に注意して、熱中症対策を。室内ではエアコンを使用してなるべく涼しく過ごさせてあげましょう。

・ごはんについて

シャルトリューは大きな猫種で、身体が完全に成長するのに1~2年ほどかかります。そのため、肥満に気付きにくいことがあります。日々の食事に気をつけて肥満を予防しましょう。子猫のうちは子猫専用のフードをあげて、成長に必要な栄養をしっかり与えます。その後は発育段階に合わせてフードの種類を変えていきましょう。早食いにならないようにフードの形に気をつけ、フードはいつまでも出しておかないようにしてください。

また、泌尿器疾患の予防のためにも、お水はたっぷり飲める環境を整えておきましょう。水飲み場は2〜3ヶ所用意し、容器のタイプも変えてみるなど、日常的に水をしっかり飲んでくれるような工夫が重要です。

・ケアについて

他の猫種と比べて被毛の密度が高いので、毛のお手入れが欠かせません。週に3回以上ブラッシングをしましょう。抜け毛が増える換毛期は回数を増やして特に念入りに。

また、シャルトリューの毛は水を弾く皮脂が多いので匂いがすることもあります。匂いや汚れがひどくなったらシャンプーを。なるべく嫌がらないよう、子猫の頃から慣らしておきましょう。

気を付けたい病気

猫がかかりやすい病気はもちろん、シャルトリューがかかりやすい病気にも注意して、毎日の健康管理に役立ててください。

・多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

腎臓に嚢胞と呼ばれる液体がたまった袋状の構造物が多数できて、腎機能が徐々に低下していく病気。ペルシャに多い遺伝性の病気ですが、シャルトリューも交配の過程でペルシャの血が入ったことがあり、注意したい病気です。

初期には目立つ症状はありませんが、進行すると慢性腎臓病と同じ多飲多尿、食欲不振、嘔吐、脱水、貧血といった症状があらわれます。根本的な治療法はなく、病気が見つかった場合は投薬と食事療法で対処します。予防法もありませんが、日頃から飲水量や尿の量、体調をよく観察し、心配なことがあれば動物病院を受診して検査を受けるようにしましょう。

・尿石症

尿中のミネラル成分が腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器で結晶化し結石になることで、頻尿、血尿、発熱、食欲不振などの症状があらわれます。排尿の際に背中を丸めて痛がる様子を見せることも。結石が尿路に詰まって尿道閉塞を起こすと尿がまったく出なくなります。こうなると尿毒症や膀胱破裂を起こす可能性も。尿道が閉塞するとカテーテルや超音波による治療のほか、外科手術をすることもあります。

予防として、肥満にならないようにすること、新鮮な水をいつでも飲めるようにすること、排尿しやすい環境作り、ストレスを溜めないようにする、などがあげられます。さらに日頃から尿の状態(1日の回数、色、臭い)をチェックし、異常があれば早めに受診を。

シャルトリューをお迎えするにあたって

優雅で愛らしいシャルトリューは、温和な性格と犬のような忠実さ、愛嬌たっぷりの表情としぐさでたくさんの癒しを与えてくれる素敵なパートナーとなってくれるでしょう。日本ではまだ見かける機会は少ないかもしれませんが、お迎えしたら大切に飼って猫との絆を深めていってくださいね。