猫種図鑑

エジプシャンマウ 出身地 エジプト

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~5㎏

被毛

短毛

毛色

全身に絹のように光沢のある被毛に斑点模様が広がっているのが特徴

目の色

グリーン

成猫時のサイズイメージ

どんな猫?

「エジプトの猫」と訳されるエジプシャンマウは、古代エジプトの壁画に描かれている猫の特徴とよく似ていることで知られています。古代エジプトのファラオの時代から人と一緒に生活してきたのではないか、クレオパトラの膝の上でまどろんでいたのではないか、なんて想像すると、ロマンを感じませんか?

身体的特徴

斑点模様の猫の中で唯一の自然固定種とされていて、全身に絹のように光沢のある被毛に斑点模様が広がっているのが特徴です。スレンダーで動作は機敏、筋肉が動くたびに表情を変える被毛の様子は大変優美です。

野性味が感じられるしなやかな猫ですが、大きな目の目尻がやや下がり気味なところが柔らかさを感じさせるチャームポイントとなっています。

性格

エジプシャンマウは、明るく元気な面と神経質で警戒心が強い面を併せ持つと言われています。たとえば、家族と過ごすことは好きで、ネズミ取りなどのハンター気質が垣間見られる一面もあるのですが、知らない人や知らないどうぶつとの共同生活は苦手です。そのため、多頭飼育やほかのどうぶつと一緒に暮らすことには向かない、とされています。

小さな子どもが騒いだり、ちょっかいをかけてくることも、あまり好まないとされています。

歴史

古代エジプトの話は真偽不明なところがありますが、この猫が見出されたのは第2次世界大戦前のこと。ある女性がエジプシャンマウの野性味を帯びた美しさに目を留め、ヨーロッパに持ち帰り繁殖しはじめました。その後、1954年ごろにアメリカに持ち込まれ、いまではアメリカ猫協会CFAにより、公認猫として認定されています。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なるものです。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

飼う上で知っておきたいこと

エジプトという暑い国出身の猫なので、やはり飼い方には配慮が必要です。また、しなやかな身体を保つためには環境にも気を付けたいところですね。では、エジプシャンマウたちに適した環境とは、どのようなものでしょうか?

・環境づくり

エジプシャンマウは、自分が認めた家族と過ごすことを好み、賢く、しつけやすい猫とされています。おとなしく、周囲の環境を把握する能力にも長けています。安心できる場所をつくり、飼い主さんが一緒に遊んであげることで、彼らの幸福度をいっそう高めることができそうです。

暑い国出身ということを十分に理解し、夏場の高温を避けたり日差しから隠れる場所を作ってあげることが重要です。もちろん、寒さ対策も不可欠です。

・ごはんについて

しなやかでスレンダーな体型を維持するためには、高タンパク低カロリーな食事を用意してあげるといいでしょう。食事は健康に直結するものだと心得て、与えすぎず、しっかりとコントロールしてあげることも愛情のひとつだと考えておきましょうね。

・ケアについて

エジプシャンマウも、換毛期(被毛が生え変わる時期)は年に2回訪れます。このとき、一次的に斑点模様が薄くなったり、なくなったりする場合がありますが、あまり心配しすぎないこと。1日1~2回程度のブラッシングを行なって、毛の生え変わりを促進したり、数ヶ月に1度くらいの割合でシャンプーをしてあげるのもオススメです。

気を付けたい病気

猫種によって注意したい病気は異なります。エジプシャンマウの場合は、尿路結石やピルビン酸キナーゼ欠損症 という病気を発症しやすい傾向にある、とされています。

いずれもどの猫にも発症する恐れがある病気なので、万が一に備えてどんな病気なのか知っておくことが重要です。症状の進行を遅らせ、長くお付き合いしていくためには、飼い主さんの早期発見・早期治療が欠かせません。そのためにも、どのような病気であるのかおさえておきましょう。

・膀胱結石

膀胱結石とは、膀胱内で尿中のミネラルが結晶化(石のように目に見えるようになった状態)し、膀胱の中に結石が生じる病気で、猫では珍しくない病気のひとつです。

猫は元々、水を飲む量が少ないとされ、それが結石を引き起こす主な原因のひとつと言われますが、食事やストレス、肥満も原因と考えられています。体内に異物が生じるため、痛みは相当なものです。また、酷くなると、まったく尿が出なくなってしまって尿毒症を起こしたり、血尿が出たりすることもあります。

予防には 、水を飲ませることと、トイレを我慢させないように環境を整えてあげること(清潔にしておくこと、多頭飼育の場合は数が十分であることにも留意が必要)、バランスのよいフードを与えるなどのほか、しっかり運動をさせましょう。また、異変が起こったときにすぐに気づいてあげられるよう、普段からおしっこの様子をチェックすることが大事です。

・ピルビン酸キナーゼ欠損症

猫や犬などに起こり得る遺伝性疾患のひとつが、ピルビン酸キナーゼ欠損症です。赤血球のエネルギー代謝に必要な「ピルビン酸キナーゼ」が欠損することにより、赤血球の寿命が短くなり貧血をきたす疾患です。

すぐに疲れてしまう、運動を嫌がる、舌が白いなどの様子が見られたとき、もしその猫の親や兄弟・姉妹に「ピルビン酸キナーゼ欠損症」だった猫がいたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう。

エジプシャンマウをお迎えするにあたって

その野性味ある様子と穏やかでおとなしい性格は、ひとり暮らしのパートナーとして、またセカンドライフを過ごすうえで、ご家族にこれまで以上の豊かな時間をもたらしてくれるはず。

そんな幸せな暮らしをあなたが新たに迎える猫にもさせてあげられるように、大切な家族をいつまでもいつくしんであげてくださいね。