犬種図鑑 ボストン・テリア


飼いやすさ

特徴

どんな犬?
大きな耳と短いマズル、身体は小さいですが華奢ではなく筋肉質な体をしています。闘犬の血を継いでいますが、とてもフレンドリーであることもこの犬種の魅力の一つと言えるでしょう。
また、体重によって3サイズに分けられる珍しい犬種でもあります。

性格
ボストン・テリアは温厚で優しく、人懐っこいので、家庭犬としてバランスのとれた性格をしています。活発で遊ぶことが大好きなので、その元気さが時に飼い主さんを困らせてしまうかもしれません。おもちゃで遊ぶ時間や、毎日のお散歩の時間を大切にするようにしましょう。
サイズ
ボストン・テリアは大きかった犬種を小型化してきたため、体重によって3つに分けられます。
①小:6.8kg未満
②中:6.8〜9kg未満 ③大:9〜11.35kg
お世話について
・しつけ
吠え癖が少なく飼いやすいとされていますが、テリアの血を受け継いでいるので頑固な面もあります。子犬の頃から、根気よくしつけをしましょう。
・散歩
1日2回、30分程度を目安に散歩に連れていってあげましょう。
・ブラッシング
毛が短い犬種ですが、ダブルコートのため抜け毛は多いです。週に1度を目安にブラッシングをしてあげると良いでしょう。春から夏と秋から冬にかけて年に2回ある換毛期には特に抜け毛が増えます。放置すると皮膚病の原因にもなるので、この時期は念入りにブラッシングをしましょう。
・歯磨き
歯磨きは毎日行うのが理想です。歯磨きをしなければ歯垢・歯石がたまり、歯周病になりやすくなります。 歯磨きが嫌いにならないよう、子犬の頃から歯や口の周辺を触ることに慣れさせましょう。歯ブラシをどうしても嫌がる場合は、歯磨きガムやシートを使うことも考えましょう。
・耳掃除
汚れがない場合は基本的に必要ありません。汚れがついている場合は優しくふき取ってあげましょう。
・しわのお手入れ
愛嬌たっぷりでかわいいお顔のしわのお手入れも欠かせません。しわの間は汚れがたまりやすいので、濡れたガーゼなどでやさしく拭き取るようにしましょう。

歴史
ボストン・テリアは、アメリカ原産の犬種です。
そのルーツは諸説ありますが、1870年代にアメリカのボストンで、ブルドッグとブルテリアをかけあわせて生まれたと言われています。
当初は、今よりもはるかに大きく、体重が23㎏ほどあり、名前も「ボストン・ブル」と呼ばれていました。それから数十年という長い年月をかけて、現在の姿に改良されてきました。
そして、1889年、愛好家たちによって「アメリカン・ブルテリア・クラブ」が結成されましたが、ブルドッグとブルテリアそれぞれの愛好家たちからの反対を受け、1891年に現在のボストン・テリアという名前になり、1893年にはアメリカのケネルクラブ(AKC)で正式に登録されました。
アメリカ原産の犬種としては、チェサピーク・ベイ・レトリーバーとアメリカン・フォックスハウンドに次ぐ三番目に古い犬種です。犬種名にテリアとついていますが、コンパニオンドッグに分類されます。
フレンチ・ブルドッグとの違い
ボストン・テリアとフレンチ・ブルドッグは同じ「短頭種」で見た目も似ています。見分ける時は、3つのポイントに注目しましょう。
・耳の形
ボストン・テリアの耳は、フレンチ・ブルドッグよりも細く、少しとがっています。フレンチ・ブルドッグの耳は先端が丸みをおびています。
・被毛の色
ボストン・テリアの被毛は上述のようにホワイトのマーキングと「ブリンドル」「シール」「ブラック」のいずれかとの組み合わせで基本的に白と黒ですが、フレンチ・ブルドッグは「フォーン(金色がかった茶色)」「ブリンドル」「ホワイト」のほか、ブリンドル&ホワイト、フォーン&ホワイトなどバリエーションが多いです。
・体形
両方とも筋肉質ですが、ボストン・テリアの方は足が長くスラっとした体形なのに対し、フレンチ・ブルドッグは足が短くよりがっしりしています。
寿命について
アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ボストン・テリアの平均寿命は12.3歳です。
気を付けたい病気
ボストン・テリアの気を付けたい病気は、「白内障」や「チェリーアイ」、「角膜炎」といった目の病気をはじめ、「皮膚炎」「水頭症」「熱中症」などがあります。
愛らしい大きな目は外傷等ができやすいので、気を付けてあげましょう。また、短頭種なので暑さにとても弱いため、暑い時期の散歩や長時間の激しい運動など無理をさせないようにしましょう。
日々のケアも重要で、顔周りのシワに汚れが溜まりやすく、そこから炎症を起こしてしまうこともあるので、濡らしたタオルなどで優しく拭きとってあげてください。
ボストン・テリアを迎えるにあたって
ボストン・テリアは長く家庭犬として人気がある犬種です。しつけやケアも、散歩や遊びの中で行うことで楽しく取り組むことができるでしょう。ただし、短頭種であるので無理は禁物です。負担がかからないように様子を見ながら行ってあげてください。
