犬種図鑑

ラブラドール・レトリーバー 出身地 イギリス

飼いやすさ

特徴

平均体重

男の子:27~34kg
女の子:25~32kg

平均体高

男の子:54~56cm
女の子:54~56cm

被毛

ダブルコートの短毛

毛色

ブラック/イエロー/チョコレート

性格

賢くしつけにも素直に応じる
愛情深くフレンドリーな性格

成犬時のサイズイメージ

どんな犬?

ラブラドールはもともと水鳥や魚を回収する狩猟犬として活躍してきた歴史があるため、運動、特に泳ぐことが大好きです。そのため、お散歩やお出かけで水場に行けば真っ先に飛び込んで遊びます。

そして、その身体も泳ぐのに適した構造になっています。例えば、指の間の水かきが発達し、しっぽは水中の舵取りの役割を果たすオッターテイルです。

性格

・賢くてフレンドリー

昔から人の仕事を手伝っていたこともあり、トレーニングが好きで、しつけにも素直に応じることができる賢い犬種です。その賢さを武器に現代でもさまざまな場面で人の役に立っています。

また、とにかく愛情に満ち溢れた犬種で、人にだけではなく、他の犬を見つけると遊びに誘ってしまうほどフレンドリーな子が多いのも特徴です。ただし、そのフレンドリーさゆえ、番犬にはあまり向いていないともいえそうです。

・世界で活躍

賢くてよく鼻がきくラブラドールは、盲導犬、警察犬、麻薬探知犬として世界中で活躍しています。母性本能が強く、忍耐強さもあるため、日本国内では、ラブラドールが盲導犬として一番多く活躍しています。

また、その作業能力が認められ1984年には、日本警察犬協会により警察犬種にも追加され、現在日本で認められている警察犬種7種に名を連ねています。

毛色・瞳の色について

・毛色のこと

ラブラドールの毛色は、ブラック、イエロー、チョコレートがあります。

・瞳の色のこと

瞳の色は、ブラウン、ヘーゼル、イエロー、ブラックがあります。

歴史

原産地はカナダのニューファンドランド島です。16世紀頃、イングランドから入植した人々が連れてきた使役犬と、ニューファンドランド犬が交配して生まれたのがセントジョンズレトリバーで、ラブラドールの祖先犬といわれています。

19世紀頃、イングランドの貴族によってセントジョンズレトリバー系の犬からラブラドールの作出と血統の確立が行われました。そして1880年代、繁殖目的で扱われていたエイヴォンネッドという犬種がラブラドールの直接の祖先になったと考えられています。

飼い方のコツ

・用意するもの

ケージ、トイレ、ゲート、ごはんなど生活必需品はもちろん必要ですが、遊ぶことが好きな犬種なので、一緒に遊べるおもちゃも用意しましょう。

おもちゃは「噛む」「引っ張る」「投げる」など遊び方で分けて選ぶようにしましょう。特に運動が大好きなラブラドールには、フリスビーやボールなどの「投げる」遊びができるおもちゃがおすすめです。

・暮らす環境

ラブラドールは、人懐っこい性格から寂しがり屋さんが多いです。寂しさからストレスを溜めやすく、暑さにも弱いので、室内で飼うことをおすすめします。たくさん触れ合え、一緒に遊べるように広めの飼育環境を準備しましょう。

また、2歳頃までは好奇心旺盛でやんちゃです。家の中にあるものを噛み、気付くとラブラドールの手の届く範囲にあるものがぼろぼろになってしまうことがあるかもしれません。誤飲事故のリスクもあるため、危険と思われるものはしっかりと片付けておく必要があります。

・十分な運動

もともと狩猟犬で、活発な性格の子が多いので、毎日多くの運動が欠かせません。個体差はありますが1日2回60分くらいのお散歩をしてあげましょう。必ずしも走り回らせる必要はありません。ゆっくり長い距離を一緒に歩くだけでも良い運動になります。「一緒にお散歩しているだけで5キロも体重が減った!」という飼い主さんもいる程です。 週末にドッグランに行くのもおすすめです。ドッグランなら広い敷地で自由に遊べるので、ストレス解消にもなります。

・食べ過ぎに注意

ラブラドールは身体が大きいため、食べることが大好きです。食欲をコントロールできないので、与えたら与えただけ食べてしまいます。そして食べるほどに肥満になりやすいので、ごはんのあげ過ぎに注意し、カロリー計算をしながら年齢に合わせて食事量を調整していくことが大切です。 また、子犬の時から食事に対するしつけをすることも重要です。人間の食べ物に興味を示すようになると大変です。「待て」「おすわり」などの指示を守るようなトレーニングを行い、食事をコントロールできるようにしましょう。

欠かせないしつけ

身体が大きい犬種なので、しっかりしつけをしてあげないと、そのフレンドリーさゆえ、人に飛びついてケガをさせてしまうかもしれません。また、ラブラドールは一般的に温厚なイメージがある一方で、好奇心旺盛でいたずら好きな子が多いので、しつけの仕方を間違えてしまうと暴れん坊になってしまいかねません。

しつけでは、物を取ってこさせる「もってこい」のトレーニングが効果的です。このトレーニングはむやみに物をかじることを防ぐのはもちろん、誤飲などの防止にも役立ちます。 ラブラドールはとても賢い犬種なので、しっかりしつけをすることで成長を楽しむこともできるでしょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ラブラドール・レトリーバーの平均寿命は12.6歳です。大型犬全体の平均が11.5歳なので、比較的長生きであることがわかります。

ここ数年でフードも色々なものが出ていますし、医療も進んでいるので、寿命はあくまでも目安とし、飼育環境や運動など気を使って少しでも愛犬と長い時間を一緒に過ごせるといいですよね。

気を付けたい病気

・外耳炎

耳の穴に炎症が起きる病気です。主な原因として、犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが挙げられます。また、ラブラドールをはじめ垂れ耳の犬種の場合、耳の中が蒸れやすく、それが原因で炎症を起こすこともあります。

外耳炎にならないよう、定期的に耳の中をチェックしてあげましょう。また、頭をよく振ったり耳の周辺をよく掻くしぐさを見せるようになったら、動物病院へ行き、獣医師に診てもらいましょう。

・股関節形成不全

股関節の骨どうしがうまくかみ合わずにゆるみが生じ、関節の軟骨がすり減って痛みを伴う炎症を起こしてしまう病気で、ラブラドールなど大型犬に多く見られます。その原因の70%が遺伝的要因、30%がカロリーの過剰摂取による肥満といった環境的要因といわれています。

股関節が動かしづらくなるので、頭を下向き加減に歩いていたり、歩くときに腰が左右にゆれ、痛みで散歩や段差を嫌がることもあります。いつもと違う変化を感じたときは注意しましょう。

一度発症してしまうと、完全には回復できないため、環境的要因を作り出さない努力が必要です。

病気にならないために

病気にならないためにラブラドールの飼い主さんに心がけてもらいたいことは以下の3点です。

・運動をさせてあげましょう

ラブラドールは特に多くの運動量を必要とします。毎日のお散歩はもちろん、週末はドッグランに出かけて自由に遊ばせてあげましょう。

・適切な食事を与えましょう

与えた分だけ食べてしまうのは犬の習性です。わが子の可愛さゆえに、ねだられるとごはんをあげたくなってしまいますが、質のよいごはんを適切な量あげるよう心がけましょう。

・スキンシップを大切にしましょう

毎日、スキンシップの時間を作って、耳の状態や体の状態をチェックしてあげましょう。

ラブラドール・レトリーバーを迎えるにあたって

大きくて、賢くて、運動大好きで、人懐っこくて優しいラブラドールの魅力を感じていただけたでしょうか?

病気やケガが気になったり、時にはやんちゃをして飼い主さんを困らせてしまうかもしれませんが、それ以上の幸せを感じることが多くあるはずです。 ぜひラブラドールのルーツや特徴を理解して、ラブラドールとの楽しい生活を送ってください。