犬種図鑑 ビションフリーゼ


飼いやすさ

特徴

どんな犬?
ビション・フリーゼは、小さい骨格ながら丸く大きなフォルムがチャームポイントで、ひときわ存在感を放つ犬種です。名前にある「ビション」はビション・グループから来ていて、アルファベットでは「bichon」と表記されます。ビション・グループの犬種は地中海にルーツを持つといわれている愛玩犬で、小さな体に柔らかく丸みを帯びた形、純白でふわふわとした毛に短めのマズルを持つのが特徴です。ビション・フリーゼのほかには、マルチーズやボロニーズが含まれます。

性格
愛玩犬らしい陽気な性格で、人見知りも少ない懐っこさが特徴です。無駄吠えも比較的少ない穏やかな性格なので、小さな子どもやほかの犬とも仲良くなるのが上手です。逆にひとりでいる時間が長いとストレスになりやすいので、共働きで家を空けがちな家庭や一人暮らしの方との相性はあまりよくないかもしれません。
一方で、甘えん坊すぎるがゆえに、間違ったしつけをすると、わがままさが際立ってしまうこともあります。甘やかしすぎたり、四六時中一緒にいて留守番を教えなかったりすると分離不安などを引き起こし、犬も飼い主も困ってしまうことになるので注意が必要です。
お散歩は毎日連れて行ってあげるのが理想ですが、時間は長くなくても大丈夫です。その子の体力などにもよりますが、朝晩20分くらいを目安にしてください。
サイズ
ジャパンケネルクラブでは、体高25cm〜29cmほど、体重は5kg程度とされています。小型犬ですが、毛量が多いので大きく見えることもあります。
被毛・毛色のこと
白くてふわふわとした綿菓子のような毛は、ビション・フリーゼのトレードマークでもあります。ただし何もしなくてもきれいな毛が保たれるわけではないので、日々のお手入れが欠かせません。ブラッシングは毛をとかすだけでなく皮膚のマッサージ機能も果たすため、血行がよくなるなどの効果も期待できます。正しい方法で毎日丁寧なケアを続けると、年齢を重ねてからも張りやコシがある、健康的な毛を保てるなどのいろいろなメリットをもたらします。毎日約30分を目安にブラッシングを行いましょう。
・被毛のこと
カールのある柔らかい毛を持っています。毛の構造は、アンダーコートとオーバーコートのダブルコートです。ただしビション・フリーゼが持つダブルコートは、抜け毛が少ないのが特徴です。ダブルコートの犬種は換毛期の抜け毛が多く、ブラッシングや掃除などが大変になる傾向にありますが、地中海性気候のおだやかな寒暖差の地域が原産であるビション・フリーゼは、換毛サイクルがそこまで激しくありません。
抜けない代わりにどんどん伸びます。さらにカールをしながら伸びるので、とても絡まりやすいです。清潔感のある美しい見た目を維持するにはこまめなトリミングが必要となります。トリミングは毎月1度くらいの頻度が理想とされています。トリミングの期間があいてしまうとブラシが通りにくい、毛玉ができやすくなるなどのトラブルも起きやすいです。少し手間のかかる毛質であることから、ほかの犬種よりもトリミングの料金が高い傾向にありますが、素人には難しい技術を用するため、トリミングサロンにお願いするのがおすすめです。
ビション・フリーゼのカットスタイルと言えば、「パウダーパフ」といわれる、お顔全体を真ん丸にカットするタイプです。その他にも、お顔と耳を分けて、それぞれ丸くカットする「テディベア・カット」なども楽しめます。
・毛色のこと
子犬の頃はベージュがかっていることもありますが、成長するにつれて真っ白になっていきます。汚れも目立ちやすい明るい純白の毛色ですが、こちらも日々のブラッシングで汚れる速度を遅らせることができます。純白な状態を維持したいからとあまりこまめにシャンプーとしてしまうと、皮膚や被毛の乾燥につながるため、普段の汚れはブラシや湿らせた不織布などで拭き取ってあげてください。シャンプーはトリミングと同じタイミングでだいたい月に1度行う程度にしましょう。

歴史
14紀頃、スペインのカナリア諸島にあるテネリフェ島に持ち込まれ、ビション・グループの祖先とされる犬種と掛け合わせて誕生したといわれています。しかしフランスやベルギー原産とされることが多いのは、スペインで誕生したあと北上し、そこで改良され人気が広がったためです。徐々にヨーロッパ各地で高い人気を獲得するようになるビション・フリーゼですが、スペインを代表する宮廷画家であるゴヤの絵画などにも登場するなど、貴族を中心に愛されていたことも伺えます。
寿命について
アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ビション・フリーゼの平均寿命は14.1歳です。犬全体の平均も14.1歳なので、平均的であることがわかります。
気を付けたい病気
純血種は遺伝的にかかりやすい病気があることが多いですが、ビション・フリーゼはこの遺伝性の疾患が少ないことでも知られています。とはいえ、小型犬や毛が長い犬種に見られる疾患には要注意です。
アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると他犬種に比べかかりやすい病気は「角膜ジストロフィー」や「流涙症(涙やけ/涙管閉塞含む」、「眼瞼炎」です。
目の中に毛が入らないよう周りの毛をカットしたり清潔に保つことが病気の発症を防ぐことにつながります。 また、耳も同様です。耳の中は毛が生えているだけでなく、垂れているので蒸れやすく真菌が増殖して外耳炎になりやすいです。通気性をよくするためにこまめにトリミングサロンで毛をカットしてもらったり、数日に一回軽く拭き取ったりして予防しましょう。
