猫種図鑑

ノルウェージャンフォレストキャット 出身地 ノルウェー

飼いやすさ

特徴

平均体重

3.5~6㎏

被毛

長毛

毛色

ブラック/ホワイト/レッド/ブラウンなどの色に加え、単色や縞模様などバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/ブルーなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブラウンタビーホワイト
レッドタビーホワイト
ブラック
ブルータビー

どんな猫?

ノルウェージャンフォレストキャットは猫の中では中型〜大型で、しっかりとした体格に長く豊かな毛が加わってとても存在感のある猫です。さっそくその特徴をみていきましょう。

身体的特徴

美しい長毛に包まれていますが、大きな体で野性味があり豪快な雰囲気を感じさせます。体はがっしりとした骨格で筋肉質。胸幅が広く重厚感があります。顔の形は正三角形で目はするどいアーモンド形。成熟するのが遅く、体が充分成長しきるのに3〜5年ほどかかります。

もふもふ好きな人なら思わず触りたくなるふわふわの長毛は、原産国ノルウェーの厳しい冬に適応してできた天然の防寒着。柔らかい毛質で手触りがよく、しっとりとした触り心地です。ふさふさした長い尾をしていて、首回りから胸にかけて襟毛があり、後脚と足先、耳にも飾り毛があります。毛色や模様のバリエーションも豊富。季節によって色のトーンがより明るくなったり暗くなったりすることもあります。

性格

とても温厚な性格で、やさしくて遊び好きな猫です。頑丈な体に見合ったタフさと、賢さ、勇敢さも備えています。人に対する信頼度も厚く、知らない人のこともあまり警戒せず、玄関先にお客様を出迎えに行くこともあるほどです。子どもや犬、ほかのペットに対してもフレンドリー。順応性が高く、新しい環境に静かに順応できる強さを持っています。好奇心も旺盛です。

歴史

ノルウェージャンフォレストキャットは北欧神話に登場するほど古くからノルウェーに生息し、北欧の厳しい寒さに耐えてその血をつなげてきた自然固定種です。半野生の状態で狩りをしながら生き延び、時には農場で、また時には船の上で何世紀にも渡ってネズミ退治をしてきました。ノルウェーでは昔から「森林の猫」と呼ばれ、体の大きさから犬と猫の雑種と思われていたこともありました。中世にスカンジナビア半島に住んでいたバイキングには結婚式当日に花嫁に猫を贈る風習があり、戦いに出る時にも猫を連れていきました。その猫もまた、ノルウェージャンフォレストキャットの祖先だったと考えられています。

血統の保存と管理が始まったのは1930年代のこと。その後、第二次世界大戦の影響でその数は大きく減ってしまいますが、1970年代にノルウェーのすばらしい猫を認知してもらおうという動きが再開。1975年にノルウェージャン・フォレスト・キャットクラブが設立され、1977年にヨーロッパの国際猫協会に品種が登録されました。

飼い方

猫と楽しく末長く暮らしていくには、適切な環境を用意し、日々の食事とケアに気を配ることが欠かせません。ノルウェージャンフォレストキャットを飼育する上で気をつけたい環境や食事、ケアのポイントをまとめました。

・環境づくり

運動量が多い方ではありませんが、好奇心が旺盛で運動能力が高く、高い所に上るのも得意な猫です。普段過ごしている生活スペースが見下ろせるほど高い場所を用意すると喜んでくれるかもしれません。キャットタワーやキャットステップを設置したり、棚の上を片付けて登れるようにしたりして、登って楽しめる環境づくりをしてみましょう。体重のある猫なので、キャットタワーはぐらつかず丈夫なものを選び、壁付けのキャットステップはしっかりと固定してください。高いところから落下してケガをしないように、滑り止めマットを敷く、落下防止ネットを設置するなどして対策を。また、置物や趣味のものなど猫が上に乗ると壊れてしまいそうなものは、猫の生活スペースに置かないようにしましょう。

・食事

肥満になりやすいともいわれており、毎日の食事がカロリー過多にならないように気をつけましょう。成長期には、単に摂取カロリーを抑えるのではなく、体を作るために必要な量はしっかりと与えつつ、脂肪を溜め込みすぎないように、バランスのよい食事を心がけましょう。おやつはあげすぎることがないようにして、人の食べ物は与えないでください。また、長毛なので飲み込んだ毛の排出をサポートしてくれる「毛玉ケア」のフードを選ぶのも良いでしょう。

・ケア

長毛といっても猫の中ではセミロングで、ペルシャほどお手入れは大変ではありませんが、週に3〜4回はブラッシングをする必要があります。春と秋には換毛でごっそりと毛が抜け落ちます。この時期にはより頻繁にブラッシングをして抜けた毛を取り除いてください。また、オイリーな毛質のため、定期的にシャンプーをすると毛を美しく保つことができます。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ノルウェージャンフォレストキャットの平均寿命は13.6歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので、数字だけ見れば少し短めです。しかし、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

気を付けたい病気

代々厳しい環境で生き抜いてきたノルウェージャンフォレストキャットは丈夫で、遺伝性の病気は少ないといわれていますが、長毛のために気をつけたい病気があります。いくつかかかりやすい病気をあげますが、これ以外にも一般的に猫がかかりやすい病気に注意して、日頃から病気やケガの予防を意識した生活をしていきましょう。

・肥大型心筋症

肥大型心筋症は、心臓病のひとつです。若いころから発症する場合もありますが、基本的には高年齢で多く、オスの方がかかりやすいと言われています。病気が進むと、心不全を起こしたり、大動脈血栓塞栓症により後ろ足が麻痺するといった症状により、突然死する危険性もあります。病気が進行してから気づくことが多い病気ですので、定期的な心臓のエコー検査で、症状が出る前からケアしてあげることが重要です。

・毛球症

猫は自分の体をなめて毛づくろいをしますが、その際に毛を飲み込んでしまっています。飲み込んだ毛は通常は排出されるのですが、飲み込んだ量が多いと、胃や腸の中で絡まって毛球になってしまいます。これがそのまま留まることで嘔吐や便秘、食欲不振などを起こします。

症状が軽い場合は薬を舐めさせて便と一緒に毛玉を排出させますが、毛球が消化管の流れを悪くしている場合や完全に詰まらせている場合は、手術をして取り出すことも。日頃からこまめにブラッシングをして飲み込んでしまう毛の量を減らしてあげることが予防になります。特に大量の毛が抜ける換毛期にはブラッシングの回数を増やして抜けた毛を取り除きましょう。もし毛球症の症状が見られた時は早めに動物病院を受診してください。

・糖尿病

ノルウェージャンフォレストキャットは肥満になりやすいとも言われており、糖尿病にも注意が必要です。初期には多飲多尿(たくさん水を飲んで、たくさんおしっこをする)、食欲はあるのに体重が減る、といった症状が見られ、進行すると嘔吐や下痢などを起こし、さらには白内障や腎疾患、肝疾患などの合併症も起こります。日頃の飲水量やおしっこの量、体重のチェックをこまめに行ない、気になることがあれば受診したり、定期的に検診を受けたりすることで軽度のうちに発見できるようにしましょう。

ノルウェージャンフォレストキャットを迎えるにあたって

ふわふわの毛に大きな体というボリューム感、やさしく社交的な性格で人気のノルウェージャンフォレストキャット。家族としてお迎えすれば、堂々とした姿で家族みんなにやさしく接してくれる素敵なパートナーとなることでしょう。毛のお手入れや熱中症対策などに気をつけながら、愛情をいっぱい注いで大切に飼ってくださいね。