猫種図鑑

ラグドール 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

4.5~9㎏

被毛

長毛

毛色

主にみられるのはがブルー/こげ茶のシール、模様はポイント/バイカラーなどさまざま

目の色

サファイアブルー

成猫時のサイズイメージ

どんな猫?

しつけもしやすく、騒いだりしないこと。そして、大らかで、人間に抱っこされることが大好きというラグドール。この猫を迎えたい! と考える方が多いのも納得ですね。しかし、ラグドールの魅力はこれだけではありません。ひとつずつ紐解いていきましょう。

性格

ラグドールをはじめ、猫と良い関係を保ちながら暮らしていくためには、その性格を理解しておくことが大切です。では、ラグドールの性格はというと? いくつか見ていきましょう。

・落ち着いている

大きな体つきも影響してか、ラグドールは、落ち着いた性格の子が多いとされます。相手が他人だったとしても(子どもだったとしても!)抱っこされると全力で体を預けてくるほどです。

また、遊ぶことは大好きなのですが、あまり激しい遊びは好まない傾向にあります。リラックスして、ソファーやクッション、飼い主のひざの上にいる方がお好みのようです。もちろん、個体差があるので活発で動き回るのが大好きな子もいます。

・従順な性格

ラグドールは「ぬいぐるみ」という意味があるだけに、抱っこが大好き、性格は穏やかで従順です。そして甘えん坊の一面も。他の猫に比べると「気ままだなぁ」と感じることは少ないでしょう。しつけもしやすいので、初めて猫を迎えるという飼い主も安心して一緒に暮らしていけそうです。人懐っこいので、猫とのスキンシップを存分に味わいたい人にとって相性のよい猫種と言えます。

・情が深い

おっとりとした性格で、小さな子どもがちょっかいを出してきても「にゃー!!」と怒ることは少ないでしょう。もちろん本当に嫌なときには反発しますが、基本的には大らかに受け止めてくれるので、子どもと一緒に成長していくことができそうです。

飼い主のそばで静かに寄り添っている姿は、情の深さを感じさせますよ。

サイズ

ACCスタンダードブックによると、「やや大型の体躯は多少長めのボディで、骨格頑健、骨量豊富、極端に大きな体重を持つ。首は太く、頑強で重厚感を持つ体躯に良く調和している。胸深・胸幅は共に豊かで、肩幅と腰幅は同じ広さを持つ。筋腱良く発達し、特に腰部、後躯に大きな重量を持つ」とあり、大型猫であることがよく分かります。筋肉質でがっしりしているところがラグドールの魅力といえます。

大人になったときの体重は男の子が6~9kg、女の子は4.5~6kgと、猫の中では大きめです。中には、10kg前後まで大きくなる子もいるようです。抱っこされることがラグドールにとっての至福とも言えるので、飼い主は心しておきましょう!

大きな身体の猫種は、他にもメインクーンやサイベリアン、ノルウェージャン・フォレスト・キャットやラガマフィンなどがいます。大型猫が好きな方は、こちらの猫種もチェックしてみてはいかがでしょうか。

・成長がゆっくり

血統書発行団体「TICA」によれば、ラグドールは、およそ4年かけてゆっくりと成猫になっていきます。

模様や毛色の種類

・模様の種類

◆ポイント

ラグドールの毛色の種類は基本的には「ポイント」と呼ばれるパターンです。ポイントとは、体の色が薄く、顔や耳、手足の先端、しっぽだけが濃い色になっている状態です。そのポイントの色(ポイントカラー)によって、「〇〇ポイント」と呼ばれます。たとえばブルーであればブルーポイント、チョコレート色であればシールポイント※、レッドであればレッドポイントとなります。

※「シール」は英語でアザラシのこと。猫の毛色を表すときにはチョコレート色や焦げ茶色のことを指す。

◆ミテッド

ポイントで、足の先や鼻やお腹などに白色が入るパターンです。足先に白が入ると、靴下を履いているようで、より可愛らしく見えます。

◆バイカラー

2色がきっちり分かれて出るパターンで、いわゆる「ハチワレ」のような模様です。

◆トーティー

ポイント部分に2つの色が出ているパターンです。

◆リンクスポイント

ポイントの部分に縞模様があるパターンで、珍しい模様です。

・毛色のこと

ラグドールの毛色は実に豊富で、よく知られているのが「ブルー」でしょう。「青」ではなく濃い目のグレーです。焦げ茶色の「シール」、少し赤みがかった茶色の「レッド」、ピンクが少し入った薄いグレーの「ライラック」も魅力的な色合いです。薄い茶色の「シナモン」も優しい色味です。

周囲に癒しを与える

ラグドールに限らずですが、猫と一緒に暮らしていると、気ままに遊んでいたり、こちらに甘えてきたりと、“予測不能な様子”に心奪われます。

それに加えて、ラグドール特有の大きな身体を寄せて甘えてきたり、抱っこすると全身の力を抜いて信頼していることを示してくれる様子は、飼い主にホッと安らぎと癒やし、あたたかい気持ちをもたらしてくれるでしょう。

飼いやすい

従順な性格やしつけがしやすいこと、そして、騒がしく動き回らないといった点は、集合住宅を住まいとする現代のライフスタイルに馴染みやすいと言えるでしょう。また、大きな声で鳴くことも少ないとされるので、ご近所に迷惑をかけることも少なそうですね。

もし困った点があるとすれば「身体が大きくて抱っこが大変…」というところかもしれませんが、それも魅力のうちでしょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ラグドールの平均寿命は14.9歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので少し長めです。

飼う上での注意点

おとなしく人懐っこいラグドールを迎える方は多く、人気の猫種のひとつとなっています。しかし、だからといって一緒に暮らすうえで気をつけることがない、ということではありません。

病気のリスクや日常の中でストレスを感じること、フードにも注意を払う必要があります。とくに注意したいポイントをいくつか挙げてみましょう。

気を付けたい病気

ラグドールの遺伝的な病気として、肥大型心筋症があります。この病気は、心筋が分厚くなる心臓の病気です。

病状にもよりますが、疲れやすくなったり、呼吸が早くなったり苦しくなったりする症状が見られます。薬によって病気の進行を遅らせることができますので、早期発見のためにも、マメな定期健診が重要です。

このほか、膀胱炎の原因にもなりうる尿路結石はどんな猫にも起こり得るので、おしっこの量や色や臭い、排尿時の様子(痛がったり、爪を立てたりしていないか、など)には気を配るとよいでしょう。

また、ラグドールは毛量が豊富なので、毛づくろいによって飲み込む毛が多く、上手く排泄できずに、胃内で毛がフェルトのように固まってしまう毛球症を起こすことも珍しくありません。

こまめなブラッシングを習慣化し、生え変わりの時期にはとくに注意しておきましょう。食欲が低下しているように見えたり、えづいたりするようであれば、かかりつけ医に診てもらい、適切に処置してもらいましょう。