猫種図鑑

ベンガル 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3.5~7㎏

被毛

短毛

毛色

ブラウン/スノー(白)/シルバーの毛色で、模様はヒョウのブチに似た「スポッテッド」、渦巻き状の縞模様が浮かび上がる「マーブル」など

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/サファイアブルー/ブルー/アクアなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブラウンスポッテッドタビー
ブラックスポッテッドタビー
ブラウンマーブルドタビー

どんな猫?

ベンガル猫は、野生のベンガルヤマネコとイエネコを交配して生まれた猫種。見た目はワイルドですが、人懐っこい性格をしています。

ちなみに祖先のベンガルヤマネコは、アジア南部の森林地帯に生息する小型のヤマネコ。美しい毛皮のために乱獲され数が激減した絶滅危惧種です。ツシマヤマネコやイリオモテヤマネコもベンガルヤマネコの亜種となっています。

身体的特徴

まず目をひくのは、ヒョウ柄の美しい被毛。厚く密着した毛はやわらかく、滑らかなシルクのような手触りです。筋肉質でがっちりとした体で、頭が小さいところも野生的な雰囲気を醸し出していますが、気品もあります。動きは力強く敏捷。猫の中では中型から大型で、大人のオスで4.5〜8kgくらいになります。

性格

ベンガル猫は、ワイルドな見た目に反して、愛情深くて人懐っこい性格です。猫種として確立するまでにさまざまな猫と交配されたことで、人と暮らすのに適した性格になりました。常に家族の中心にいたい猫で、できるだけ人と一緒にいたいと思っています。運動量が多く活動的で、たくさんの刺激を必要とします。お子さんやほかのペットとも仲良く遊べます。

歴史

アジアン・レオパード・キャットとも呼ばれる野生のベンガルヤマネコとイエネコの交配は、白血病の研究と、野生のヤマネコの保護の2つの目的から始まり、やがてベンガルという一つの猫種に行き着きました。

1970年代のアメリカで、人の遺伝学の研究者が、白血病の研究のためにイエネコとベンガルヤマネコの交配を試みました。猫の白血病は人の白血病と経過が似ているので、ベンガルヤマネコが白血病を発症しない理由を解明することで、人の白血病のメカニズムもわかるのではないかと考えたのです。残念ながら研究はうまくいかず、このときの交配で生まれたネコたちは、野生のベンガルヤマネコの保護を試みていた愛好家に引き継がれました。その後、エジプシャン・マウ、アビシニアン、ボンベイ、ブリティッシュ・ショートヘアなどさまざまな純血種の猫とこのハイブリッドが交配され、ベンガルという猫種が誕生しました。

飼い方

猫の中でも群を抜いてエネルギッシュで活動的なベンガル猫。ヤマネコの血が騒ぐのか、高いところに登ったり降りたり、ハンティング遊びをしたり、時には水でも遊んだりと、とにかく動き回るのが大好きです。そんなベンガル猫と暮らすために、注意したいこと、気をつけたいポイントを見ていきましょう。

・環境づくり

ベンガル猫は「あり余るエネルギーの持ち主」といわれているので、たくさん一緒に遊んで刺激を与えてあげることが必要です。運動がたくさんできる環境を用意してください。幼少期から高いところに登って遊ぶのが好きなので、キャットタワーやキャットステップは必須といえるでしょう。おもちゃもできるだけたくさん準備を。そして長時間1頭だけにせず、なるべく一緒に過ごし、活動的に遊びましょう。

・食事

猫の一生の健康を左右する食事。さまざまなフードがありますが、質がよいフードを選ぶとともに、成長段階に合わせたものを与えましょう。ベンガル猫の場合は、食事に関して飽きやすいことも多くなっています。食べ飽きて食が進まないような時は、数種類のフードを混ぜるなどして、変化をつけてみましょう。ドライタイプとウェットタイプを併用して食感を変えるのもいいでしょう。フードを変更する時は、今まで与えていたフードに少量ずつ新しいフードを足していき、徐々に切り替えてください。

・ケア

短毛で密着するタイプの毛なので、お手入れは楽な方です。週1回程度、定期的にブラッシングをして被毛を清潔に保ちましょう。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ベンガルの平均寿命は14.2歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので少し短めです。

気を付けたい病気

ベンガル猫は遺伝性の病気は少ないといわれていますが、それでも他の原因で病気にかかることはあります。ここで紹介した病気のほか、猫が一般的にかかりやすい病気にも注意して、心配なことがあったらかかりつけの動物病院を受診しましょう。

・角膜炎

目の角膜が炎症を起こした状態。目に異物が入ったり、猫同士のケンカや事故で傷ができたり、目を強くこすることでおこります。アレルギーや感染症、眼の病気が原因となる場合もあります。ベンガル猫は活発に動くため、目をぶつけて傷になる可能性が高く、注意したい病気です。この病気にかかると、目を痛がってまばたきが増えたり、涙や目やにで目の周りが汚れたりします。放置すると視力低下や失明につながるため、早期発見と根気強い治療が大切です。目に異常があったらすぐに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

・ストレス性の病気

猫もストレスが溜まると、心因性の病気になることがあります。症状としては、過度に毛繕いをして脱毛になる、便秘や下痢を起こす、攻撃的になることがあげられます。神経質でストレスに弱い猫がなりやすいイメージですが、ベンガル猫の場合は活発なために、運動や遊び、刺激が充分でないとストレスを抱え込んでしまいます。毎日遊んでいるからと油断せず、上記のような症状がなく、猫が満足しているか様子を見てあげましょう。

・突発性膀胱炎

細菌感染や尿石などの異常がないにも関わらず、頻尿や血尿といった膀胱炎の症状があらわれる病気です。直接的な原因は不明とされていますが、ストレスを感じるような状況で発症したり悪化したりするため、ストレスも原因の一つと考えられています。予防として、新鮮な水をいつでも飲めるようにする、トイレを複数置く、広めのトイレを用意する等、排尿しやすい環境作りとともに、ストレスを溜めないよう気を配りましょう。

ベンガルを迎えるにあたって

ベンガル猫は野生の猫に近い見た目でありながら、性格は人懐っこいというギャップを持っています。美しいヒョウ柄、エネルギッシュで好奇心旺盛と、個性が光る猫種でもあります。もしこの猫をお迎えしたら、愛情深く家族に接してたくさんの幸せを届けてくれることでしょう。飼い主さんも猫以上にたくさんの愛情をそそいで、いつまでも大切に飼い続けてくださいね。