猫種図鑑

エキゾチック・ショートヘア 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~5.5㎏

被毛

短毛/長毛

毛色

毛色や模様はバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/サファイアブルー/ブルー/アクアなど

成猫時のサイズイメージ

どんな猫?

エキゾチック、という言葉には「異国風の、見慣れない」といった意味があります。エキゾチック・ショートヘアは、そう言われるにふさわしい顔つきの猫と言えそうです。「ブサカワな猫」なんて言われることもしばしばですね。

なんとも味があり、ちょっとクスッとしてしまうような風貌は、多くの人に愛されるのも納得です。では、性格や鳴き声にはどのような特徴があるのでしょうか?

性格

一般的に、エキゾチック・ショートヘアは、のんびり屋さんで、平和主義です。

猫と一緒に暮らしていると、何かを追いかけたり飛びかかったりする場面に遭遇し、そのたびに「あぁ、この子もハンターの本能があるのね」と飼い主を驚かせるものですが、エキゾチック・ショートヘアに関してはこうした猫的な行動がほとんど見られないと言われます。どーんと構えて物怖じしない、貫禄すら感じる猫です。

そんな性格ゆえ、静かでやさしく、飼い主以外でも抱っこさせてくれるような大らかさを持っています。また、多くの猫が嫌がるお風呂や爪切りもあまり嫌がらず「よきにはからえ」と言わんばかりに受け入れてくれます。

ただし、ちょっと嫉妬深いところもあるようで、飼い主が他の猫と仲良くしていたりすると拗ねてしまう、なんてこともあると言います。

人懐っこいというか…何とも”人間らしい”猫だと思いませんか?

鳴き声の特徴

エキゾチック・ショートヘアは、その鳴き声も大変に特徴的です。もともとあまり鳴かないのですが、まれに「んにゃ〜」という声を聞かせてくれます。ちょっと高めの小さな声は、そのずんぐりどっしりした姿からはちょっと想像できないような(失礼!)声色かもしれません。

そんなギャップに、飼い主は心を鷲掴みにされることでしょう。

歴史

「ACCスタンダードブック(中央ケネル事業協同組合連合会・アジアキャットクラブ編)」では、この猫について「1965年代からイギリスで見られ、その後アメリカの愛猫協会CFAによって公認された」と解説しています。

比較的新しい猫種であり、2つの出自を持つという一面も持ち合わせています。まずひとつ目は、ペルシャとブリティッシュショートヘアーから子猫を得た、というもの。もうひとつは、ペルシャとアメリカンショートヘアーから子猫を得たという背景を持つものです。

いずれもブリーダーたちの意図とは違った結果に終わったのですが、生まれてきた子猫たちの愛くるしさに魅了され、新たな猫種として登録するよう尽力されることになりました。

今でもエキゾチック・ショートヘアの親猫同士から生まれた子猫の中にはロングヘアの子が見られます。これは、ペルシャの血が流れているからだと言えるでしょう。

飼い方

大抵のことは嫌がらず、飼い主に懐いてずっと一緒にいたがるほど愛情深いエキゾチック・ショートヘア。より絆を深めていくためにも、一緒に暮らしていく上で注意したいことを迎える前に確認しておきましょう。

・室内の温度や湿度

夏場は室内が暑くなりすぎないよう室温管理はしっかりとしましょう。クーラーで温度管理をするだけでなく、窓からの強い日差しを避けるためにカーテンを閉めたり、部屋の空気が循環するように工夫したりといった暑さ対策をするとよいでしょう。

また、猫自身が「涼しいと感じられる場所」に移動するので、それを妨げないように注意しましょう。

冬場の暖房は効かせすぎないように気を配りたいものです。「猫は寒いのが苦手だろうから」と、高すぎる温度設定にすると、逆に暑すぎるということにもなりかねません。

飼い主が快適と思える室温で様子を見ながら、しきりにグルーミングをしているようなら室温を調節してみるといいでしょう。また、風邪をひいてしまったり、被毛が乾きすぎたり、皮膚が乾燥しないように、適度な湿度を保ってあげることも重要です。ただし、加湿器を利用する際には、猫が誤って倒してしまわないようにご注意を。

・トイレの管理

エキゾチック・ショートヘアに限らず、猫はみんなきれい好き。トイレが汚れていると別の場所で粗相をしてしまうということもあるということを忘れないでください。トイレと砂は常に清潔にしておけるように、飼い主が扱いやすいものを選びましょう。

また、ブリーダーさんから迎え入れるなら、トイレも譲っていただけるとベストです。それが難しかったり、ペットショップや里親として迎える場合は、それまで使っていたものと同じ形のものを準備してあげると、「これはトイレだ」と理解してもらいやすく、しつけも捗るようです。

・フードの種類

どちらかというと行動派ではなく、温和でおとなしいエキゾチック・ショートヘアー。彼らのフード選びに最も重要なのは「適切な体型を保てる、良質のたんぱく質を含んだもの」です。太りやすい傾向にある場合は、低カロリーで炭水化物と脂質が控えめの食事がいいといわれています。消費カロリーがそこまで多くない、ということを念頭において、バランスよく栄養素がとれるものを選びましょう。

また、温和でゆったりとした性格のせいか、ゆっくり食べる傾向があると言われます。そのため、何回かに分けてフードを与える、という飼い主もいらっしゃるようです。「フードを食べていると途中で休憩しちゃう」という場合は、少量ずつ与えてあげるなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

しっかり食べてもらえる方法が見つかりますように!

寿命について

お家に迎えたら、大切な家族の一員。末永く、穏やかでゆったりとした暮らしを一緒に続けていきたいものですね。だからこそ「猫の寿命がどのくらいの長さなのか、どんなことに気をつけるべきか、あらかじめ知っておきたい」と考える飼い主は多いかもしれません。

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、エキゾチック・ショートヘアの平均寿命は12.2歳。エキゾチックショートヘアーは一般的に寿命が短いとされています。しかし、当然ながら、猫の寿命は環境や個体差によって左右されます。そのため、以下にご紹介する情報はあくまで参考です。

「寿命が短い種類とされているので、日頃から変化に気をつけてあげよう」という風に、飼い主がこれから猫とより長く過ごすためのヒントになれば幸いです。

飼い主はどうぞ、猫の健やかな暮らしを支えてあげてください。

気を付けたい病気

エキゾチック・ショートヘアがかかりやすい疾病は、次のようなものが挙げられます。

・鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)

エキゾチック・ショートヘアのように鼻ぺちゃな子は、骨格のつくりから、鼻と目の間にある、いわば涙の排水口「鼻涙管(びるいかん)」が狭くなり、涙が外に溢れてしまうことがあります。涙があふれ続けることで、目の周りが荒れて炎症を起こしたり、目やにが出てしまうなどの症状が見られます。

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

一度起きてしまうと現段階では残念ながら治すことができない病気です。遺伝性で、親猫のどちらかがこの病気だった場合、50%の確率で遺伝してしまうと言われます。

腎臓に水がたまった袋(嚢胞)がたくさんできて腎臓の働きが徐々に低下し、腎不全を引き起こす恐れがあります。治療方法は確立していない、やっかいな病気です。

近年では遺伝子検査もできるようですので、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。また、もし親猫が多発性嚢胞腎だったなら、それを獣医師に伝えることも大切です。

このほか、肥満や鼻づまりも起こりやすいと言われています。日常的に食餌量と運動量に気をつけ、ブラッシングの際にはからだの変化(とくにお顔周りの変化)に注意してあげるようにしましょうね。