猫種図鑑

ソマリ 出身地 カナダ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~7kg

被毛

長毛

毛色

ルディ/シナモン/ブルー/フォーンなど

目の色

グリーン/ヘーゼル/ゴールド/カッパー

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

レッド
ルディ

どんな猫?

ソマリは「ロングヘア・アビシニアン」とも呼ばれるアビシニアンの長毛種。アビシニアンとの違いは毛の長さのみで容姿以外の特徴は同じですが、豊かな長毛を持つソマリは、「キツネのような猫」と表現されることもあります。

身体的特徴

筋肉質で細身の体に美しい長毛を持つソマリは、野性味と優雅さをあわせ持った猫。顔はやや丸みのある三角形で、耳の内側に飾り毛があります。また目尻から頬と額に濃いラインが入っています。首元のえり毛が長いことも特徴です。長い尾はまさにキツネのようにフサフサ。毛色はルディー、レッド、ブルー、フォーンの4色があります。

性格

温厚で明るい猫です。社交的で優しく、飼い主さんに愛情深いものの、マイペースな一面も。好奇心も旺盛で活動的です。繊細で寂しがり屋な面もあり、ストレスが自分自身へ向かうことも。他者との関わり、特に飼い主さんとのコミュニケーションを望んでいるので、毎日しっかりと向き合う時間を作り、知らず知らずのうちに猫がストレスを抱え込まないようにしましょう。

また「鈴を転がしたような鳴き声」と言われるように、小さく控えめなかわいらしい声で鳴きます。

歴史

アビシニアンは19世紀後半に繁殖が始まり、1917年にアメリカ猫協会(CFA)に認定されましたが、ソマリが認定されたのはそれから半世紀以上も後のことです。1950年代からアメリカやカナダの愛好家によって長毛のアビシニアンが計画的に繁殖され始め、1972年にCFAの公認猫種として認定されました。

名前の由来はソマリアの国名。アビシニアンに近い、という意味を込めてアビシニア(現エチオピア)の隣国の国名にちなんでいるそうです。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、ソマリの平均寿命は14.1歳。 猫全体の平均寿命が14.4歳なので、ほぼ平均的といえます。しかし、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、大切に育ててあげてください。

飼う上で知っておきたいこと

優雅で野性味があり、温厚で明るいソマリ。この猫と暮らしていくにあたって気をつけたい飼い方のポイントを見てみましょう。

・環境づくり

活発で運動量が多いので、よく動ける環境を用意してあげましょう。キャットタワーを設置したり、家具に登って遊べるようにしたりと、室内でもたくさん動ける工夫を。遊ぶことも大好きです。遊びの時間を確保しておもちゃを使って思い切り遊べるようにしましょう。

水を怖がらない子が多いので、お風呂やトイレといった水場には要注意。掃除をしている時にいたずらをしにくることもありますし、目を離した隙に水で遊んでしまうことも。トイレや浴室のドアはしっかりと閉めて、念のためお風呂の残り湯は溜め置かないようにしてください。

・ごはんについて

健康を左右する毎日の食事は、慎重に選びたいもの。猫のフードにはさまざまな種類がありますが、ソマリには筋肉質な体を維持するために高タンパクなタイプを選びましょう。

また、ソマリは食欲が旺盛で太りやすい傾向にあります。食事は年齢や体重に合わせて適切な量をあげるようにしましょう。食事の適正量は運動量や個体差によって変わってくるので、体重や体格をよくチェックしながら必要な量を見極める必要があります。

猫は積極的に水分を摂りませんが、病気を予防するためになるべく水を飲んでもらいたいもの。生活環境の中に水飲み場を2〜3カ所用意し、こまめに水を変えていつでも新鮮な水が飲めるようにしましょう。

・ケアについて

ソマリの毛は長毛ですが、長毛の中では短めで、ほかの長毛種の猫ほどお手入れは負担になりません。できれば毎日、少なくとも週に3回はブラッシングを行いましょう。大量の毛が抜け落ちる換毛期には特に念入りにお手入れを。

気を付けたい病気

ソマリをお迎えしたら、長く健康に飼い続けたいもの。かかりやすい病気を知っておき、異変に気づいたらすぐに動物病院で受診して早期発見・早期治療ができるようにしましょう。

・重症筋無力症

まれな病気ではあるものの、ソマリやアビシニアンでは比較的危険性が高いと言われています。先天性または後天性(免疫疾患など)の原因によって、筋力が低下し、うまく飲み込めなくなったり、吐出(嘔吐と違い、胃の中に入らず、食道付近から吐き出してしまう症状)が見られます。また、猫ではしばしば首を前の方に曲げる姿勢をすることもあります。

・ピルビン酸キナーゼ欠損症

こちらも、比較的まれな病気ではあるものの、先天的にピルビン酸キナーゼという酵素が不足することにより赤血球が破壊され、貧血が起こる病気です。疲れやすい、食欲低下、呼吸や脈が早い、口の粘膜や舌が白っぽくなるなどの症状があらわれます。遺伝性の病気なので予防はできませんが、劣勢遺伝で受け継がれることがわかっていて、遺伝子検査をすることもできます。確認できれば、飼う前にブリーダーに親の遺伝子検査や病歴について聞いておくと良いでしょう。

・進行性網膜委縮症(PRA)

眼の奥にある網膜が変性して薄くなった状態を網膜萎縮といいます。網膜は光や色を感じるために必要な細胞が集まっている組織なので、変性することによって視力障害が起こり、進行すると失明の可能性もあります。

先天的に発症する場合と栄養不足により後天的に発症する場合があり、猫では先天的な網膜萎縮はまれですが、ソマリにはリスクがあります。網膜萎縮に有効な治療法はありません。先天性の場合は予防もできませんが、遺伝子検査をすることができます。できれば親の遺伝子検査について確認しておくと良いでしょう。

・尿石症

猫全体に多い病気でもありますが、尿中のミネラル成分が腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器官で結晶化し結石になることで、頻尿、血尿、発熱、食欲不振などの症状があらわれます。排尿の際に背中を丸めて痛がる様子を見せることも。結石が尿路に詰まって尿道閉塞を起こすと尿が全く出なくなります。こうなると尿毒症や膀胱破裂を起こす可能性も。尿道が閉塞すると超音波やカテーテルによる治療のほか、外科手術をすることもあります。

予防として、肥満にならないようにすること、新鮮な水をいつでも飲めるようにすること、排尿しやすい環境作り、ストレスを溜めないようにする、などがあげられます。さらに日頃から尿の状態(1日の回数、色、臭い)をチェックし、異常があれば早めに受診を。

ソマリをお迎えするにあたって

親しみやすい性格と小さな鳴き声から飼育しやすいといわれ、人気の猫種となっているソマリ。家族として迎え入れたその日から、充実した豊かな時間を与えてくれることでしょう。

猫を飼ってみると予想外に大変なこと、心配なこともあるでしょう。そんな時も、ソマリが飼い主さんに向けてくれるのと同様に深い愛情を持って乗越えてくださいね。きっと猫との間にすばらしい絆が育まれるはずです。