猫種図鑑

オシキャット 出身地 アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~6.5㎏

被毛

短毛

毛色

明るい地色に深めの色合いの斑点が散らばったスポッテッドタビーの模様が特徴的

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパーなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

シルバースポッテッドタビー
ブラウンスポッテッドタビー

どんな猫?

ヒョウなどのネコ科動物を思わせる斑点模様を持つオシキャット。やや丸みのあるV字型のお顔に大きな耳と凛とした力強さを感じさせる瞳が印象的です。そんなオシキャットはどんな特徴を持つ猫なのでしょうか?

身体的特徴

オシキャットをひと撫でしたら、そのサテンのような滑らかな手触りに一瞬で心奪われてしまうかもしれません。明るい地色に深めの色合いの斑点が散らばった様子は、オシキャットの野性的な外見に品格と美しさを加えています。

この被毛と、ムダのない引き締まった筋肉、しっかりとした骨格、凛々しい表情が合わさってこそ、オシキャットだと言えるでしょう。

性格

見た目は大変凛々しく、野性味のある容姿なのですが、実はとっても甘えん坊で人見知りが少なく、“オシに弱い”一面もあるようです。

「犬のような猫」という猫種はいくつかありますが、オシキャットもそのひとつ。ボールを投げれば、とってこい、ができるようになりますし、芸を覚えることもできるのだとか。

穏やかな性格なので、多頭飼育や他のどうぶつと一緒に飼うこともできますが、ケンカになると負けがち。さらに、ひとりのお留守番は嫌がりがち、という性格の持ち主です。その優しく繊細な心を守るように、愛情深く育ててあげましょう。

歴史

野性的な風貌なので、「ヤマネコや野生のネコ科とイエネコがかけ合わさったのかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、シャム猫とアビシニアンの両親から生まれた猫種です。歴史は浅く、1964年に生まれた猫がオシキャットの始まりとされています。オシキャットの名前の由来は「オセロット」というヤマネコに似た猫だから、との説も。

さて、このオセロット似の猫ですが、この時は繁殖家の目的とは異なっていたため、去勢されて他のおうちに貰われていったそうです。

しかし、野趣あふれるこの猫を求める人が多くなり、多くの愛好家が同じ斑点模様の猫を生み出そうと努力した結果、オシキャットが品種として確立されていきました。ちなみに、アメリカ猫協会CFAに公認されたのは、1978年のこと。随分と時間がかかったようですね。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。トンキニーズという品種自体の寿命ははっきりしていませんが、その猫がどのくらい生きるのかは、もって生まれた資質や環境などによって変わってきます。大切に飼って長寿を目指しましょう。

飼う上で知っておきたいこと

この猫は寒さに弱い猫種ということで、飼い方には配慮が必要です。また、大変な甘えん坊なので、もしお留守番をさせざるを得ないご家庭なら、寂しがらないように環境を整えてあげた方が安心です。では、オシキャットたちに適した環境とは、どんなものでしょうか?

・環境づくり

遊び好きで活発、高い所も好きなので遊びの幅は広がります。キャットタワーで遊ぶ姿も見られるかもしれませんが、オシキャットは身体の大きな猫だということを忘れずに。しっかりとしていて、安定感のあるものを用意してあげましょう。

オシキャットの性格でもご紹介しましたが、甘えん坊…というより、かなり飼い主さんに対して依存心が強い猫だと言えそうです。そのため、家を空けることが多い場合は、寂しさを埋めてあげられるような工夫が必要です。

たとえば、相性の良い猫と一緒に育てるのもひとつの手。犬を嫌がることもないので、穏やかな性格の子と一緒に過ごさせるのもいいでしょう。ですが、飼い主さんが一番だ、ということを忘れないであげてくださいね。

・ごはんについて

お家に迎えた猫の健康を守るのは食であり、飼い主さんがきちんと管理するものであると心得ましょう。バランスがよく、年齢に合わせたものを選んであげられるといいですね。

最近はフードもさまざまなものが出回っていて、よりよいものを手に入れやすくなっています。ただ、「好き」か「嫌い」かを最終的に判断するのは猫本人。最初のうちはいくつか種類を試したり、もし確認できるなら、これまで与えていたフードがどこのものだったのか調べて与えてみるといいでしょう。

・ケアについて

どの猫を飼う場合でも同じですが、オシキャットの場合、とくにストレスケアは不可欠です。寂しがりやなので、飼い主さんはしっかりとコミュニケーションを取るようにしてあげましょう。

その際、丁寧にブラッシングする行為はオシキャットに安心した気持ちをもたらします。週に1〜2回はブラッシングしてあげると毛球症の予防にも効果的ですよ。

気を付けたい病気

オシキャットは「この猫種だからかかりやすい」という病気が見当たらない反面、多くの猫が悩まされる病気に気を付ける必要があります。たとえば、「尿路結石」や「毛球症」はその一例です。

・尿路結石

尿に含まれるリン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が腎臓、膀胱、尿道などの泌尿器官で結晶化して、やがて「結石」となって、さまざまな症状を起こす病気です。

主に、尿がアルカリ性に傾ことが原因でできる「ストラバイト結石」と、酸性に傾くことが原因でできる「シュウ酸カルシウム結石」があります。

偏った食事や水をあまり飲まないことなどが原因であるといわれています

予防として、以下を意識しましょう。

・低リン、低マグネシウムの食事を心がける

・飲みたいときにいつでも新鮮な水を飲める環境を作る

・排尿しやすい環境を作る

頻繁にトイレに行くのに尿がいつもより少ない、排尿のときに痛そうにしている、血尿が出るなど、異変に気づいたらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

・毛球症

猫はしょっちゅうグルーミングをします。その理由は、毛を清潔に保ったり、体温をキープしたり、高ぶった精神を落ち着けるため、などなどさまざま。グルーミング中の猫を見ていると「平和だなぁ」という気持ちになりますが、グルーミングをしすぎることが原因で体調を崩してしまうこともあるのです。

「毛球症」は、まさにそんな症状と言えるでしょう。通常、グルーミングで飲み込んだ毛は排泄されるのですが、毛の生え変わりの時期やブラッシング不足などで毛量が多くなっている場合やロングヘアーの猫の場合、飲み込む毛が多すぎて上手く排泄できずに体内で毛玉やフェルトのように固まってしまうことがあります。

食欲低下や吐き気、便秘を引き起こすおそれもあります。定期的にブラッシングやシャンプーなどでケアしてあげましょう。毛のお手入れは、習慣化することが大切です。