猫種図鑑

オリエンタルショートヘア 出身地 イギリス・アメリカ

飼いやすさ

特徴

平均体重

3~4kg

被毛

長毛/短毛

毛色

毛色や模様はバリエーションが豊富

目の色

グリーン/ヘーゼル/イエロー/ゴールド/オレンジ/カッパー/ブルーなど

成猫時のサイズイメージ

代表的な毛色

ブルーポイント
シールポイント

どんな猫?

スリムな体つきに大きな耳、澄んだ瞳が印象的なオリエンタルズ。これまではショートヘアの個体が好まれていましたが、最近はロングヘアーの個体と合わせて「オリエンタルズ」と呼ばれるようになってきました。筋肉質なこの猫の特徴は、どんなものでしょうか? 細かく見ていきましょう。

身体的特徴

オリエンタルズの頭や体型はシャムとほとんど変わりません。長く優美なボディラインをしなやかな筋肉で覆う姿は均整が取れて気品すら感じさせます。注目すべきは、後ろ足。足先からかかとまでが長く、跳躍能力の高さを想像させます。

シャムとの一番の違いは被毛のバリエーションの豊かさでしょう。ショートヘアの猫たちの被毛は大変短く、手触りは絹のように滑らかです。一方、ロングヘアーの猫たちは部分的に長い被毛を持っており、シッポの部分だけがふんわりとしています。

性格

外見と同じく、シャムの気質を強く受け継いでいます。犬のように人になつき、甘える猫として知られるシャムですが、オリエンタルズも同じくらい人懐っこく、甘えん坊です。

飼い主さんが何かしているときにちょっかいをかけてくるのは彼らにとっては「当然のこと」。知らない人でもしばらく一緒にいるだけですぐに懐いてしまいます。

他方、飼い主さんがあまり構ってくれないと、すねたりワガママになったり、こちらの気を引こうと躍起になることもあるのだとか。「気ままなのが猫の魅力」という方には、たまらない性格ですね。

歴史

オリエンタルショートヘアは、当時激減していたシャムを増やすためブリティッシュショートヘアやロシアンブルー、アビシニアンなどと掛け合わせて誕生した子猫のうち、ポイントカラーのない個体が元となり1950年代に誕生しました。比較的新しい猫種とされています。

寿命について

アニコムの「家庭どうぶつ白書2022」によると、猫全体の平均寿命は14.4歳となっています。ただ、実際にどれくらい生きられるのかは、その猫が持って生まれた体の強さや飼育環境によって異なります。愛情を持って、健康に気を付けて、大切に育ててあげてください。

飼う上で知っておきたいこと

シャムと大変似通っているというオリエンタルショートヘアなら、シャムと同じように迎えて問題ないのでしょうか? また、オリエンタルショートヘアならではの「気を付けるべきポイント」はあるのでしょうか? ひとつひとつ、確認してみましょう。

・環境づくり

オリエンタルショートヘアが持っている筋肉を、しっかりと動かせるよう、家の中で遊べる環境づくりは欠かせません。

とくに、跳躍力が発揮できるように頑丈なキャットタワーを用意してあげたり、飼い主さんと一緒に遊ぶことができるスペースを設けることは、オリエンタルショートヘアが幸せに過ごすための条件と言えるでしょう。

また、少々いたずら好きな面もあるので、散らかされると困るものや猫にとって危ないもの(誤飲のおそれがあるものや火が出るなど)については隠しておいたり、きちんと扉を締めて猫に触れられないように配慮するのも重要です。

・ごはんについて

スリムで筋肉質な身体を維持するためには、食事の管理が重要です。うっかり太らせてしまって、病気にならないよう努めるのは、飼い主さんの義務です。

筋肉を維持するには、タンパク質が不可欠です。フードを選ぶ際には良質なタンパク質を多く含み、カロリー控えめなものを選びたいですね。

・ケアについて

オリエンタルショートヘアは抜け毛が少ないとされ、飼い主さんによる抜け毛ケアのブラッシングは1日1回程度でも十分です。ただ、オリエンタルショートヘアにとって、飼い主さんによるブラッシング・タイムは至福の時間。コミュニケーションの一環として行えば、猫もこれまで以上に飼い主さんに愛着を抱くことでしょう。

気を付けたい病気

身体的特徴も性格もシャム猫そっくりなオリエンタルショートヘアは、発症しやすい病気まで似ているとされています。ここでは、品種に限らず、「注意したい病気」について見ていきましょう。

・泌尿器疾患

オリエンタルショートヘアに限らず、多くの猫がかかりやすい病気とし「泌尿器疾患」があげられます。

「泌尿器」とは、尿を作って排出する器官の総称です。具体的には左右ふたつの腎臓と、尿管、尿道、膀胱部分をいいます。

「泌尿器疾患」には、「尿石症」や「膀胱炎」、「腎不全」などがあります。

・尿石症

尿石症は尿に含まれるリン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル成分が結晶化し、腎臓、膀胱、尿道などで結石となることでさまざまな症状を引き起こす病気です。猫の場合は、尿がアルカリ性に傾くことでできるリン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)が多く見られます。

・膀胱炎

膀胱に炎症が起こることで血尿や頻尿、排尿時の痛みなどの症状が見られる病気です。

猫の膀胱炎は、ブドウ球菌や大腸菌などの細菌感染が原因となって起こる「細菌性膀胱炎」と明らかな原因が見られないにもかかわらず、膀胱炎の症状が見られる「突発性膀胱炎」とがあります。猫には「突発性膀胱炎」のほうが多く見られます。ストレスが発症要因のひとつだと言われていて、若年の猫に多く、治っても再発しやすいのが特徴です。

・慢性腎疾患

腎臓自体が徐々に弱っていき、腎臓の4分の3が機能しなくなると、多飲多尿、食欲不振、削痩、嘔吐、脱水などの症状が現れてきます。人の慢性腎疾患と同じく、完治することはできないので、長い間つきあっていくことになります。

いずれも普段の飲水量、排尿の状態をこまめにチェックし、いつもと違うと感じたら、動物病院へ連れて行ってあげましょう。

オリエンタルショートヘアをお迎えするにあたって

甘えん坊で人の会話にも参加したがるほど飼い主さんとのかかわり合いを持とうとする猫、オリエンタルショートヘア。この猫との暮らしは、ご家族にこれまで以上の豊かな時間をもたらしてくれるはず。

そんな幸せな暮らしをあなたが新たに迎える猫にもさせてあげられるように、大切な家族をいつまでもいつくしんであげてくださいね。