母犬・母猫のワクチン接種について

AHBのワクチン接種推進に関する取り組み

株式会社AHBでは獣医師がブリーダー様のもとへ訪問し、子犬たちの母親となるワンちゃん、ネコちゃんに対して積極的なワクチン接種の推進を行なっています。

どうして母親にもワクチン接種が必要なの?

適切なタイミングで母犬や母猫にワクチン接種を行いは母親自身の免疫力を高める事により、母親は子犬や子猫へ、生命に関わる特定の感染症に対して戦う為の免疫を与えることが出来ます。

特に子犬にとって恐ろしい病気の一つでもある犬パルボウィルス感染症は、子犬の時期に感染してしまうと重症化し、死亡することもあるため、犬の混合ワクチンには犬パルボウィルスを予防するためのワクチンが含まれています。

犬の免疫獲得について

ヒト(人)の場合、母親からの免疫の多くは妊娠中に胎盤を通して受けとっています。 

しかし犬や猫の場合はヒト異なり、胎盤からの免疫移行はわずかで、母親からの免疫は生まれてすぐに分泌される特別な母乳(初乳)を飲むことで免疫を獲得します。

感染症に負けない免疫を得るには確実に初乳を飲む必要があります。

初乳に含まれる免疫は腸管から吸収することにより獲得します。

生まれてすぐの腸管が初乳からの免疫の吸収率がいちばん高く、時間が経過すればするほど免疫が受け取りづらくなっていきます。

生後8時間を過ぎると産まれたてに比べ吸収率は50%まで低下しているといわれており、生後2~3日で腸管からの免疫吸収は出来なくなります。

そのため、子犬では生後48時間まで、子猫では生後24時間までに初乳を飲ませることが推奨されています。

子犬や子猫へのワクチン接種について

出産後ブリーダー様たちは産まれた子犬や子猫が元気に育つように、出来るだけ早くお母さんのおっぱいに吸い付かせ、たくさん飲んでくれるようにとお世話をしています。

しかし、母親から受け取った免疫(移行抗体)は残念ながら日にちが経つと減ってきてしまい、感染症にかかりやすい状態になってしまうため、子犬や子猫が免疫力を獲得できるようにワクチン接種が必要になります。

しかし母親から受け取った免疫力の減少には個体差があり、見た目では分かりません。そのため、産まれてからの1年間は3~4週間の間隔で複数回(多くは2~3回)のワクチン接種が必要になります。

どうして何回もワクチン接種を行う必要があるの?

母親からの移行抗体の量がまだ十分あるときは、移行抗体がワクチンに影響してワクチンによる免疫(抗体)を作ることができません。

移行抗体の量が低いタイミングでワクチン接種を行うことによって、自分の体内で免疫力(抗体)を作り出すことができるのです。

複数回ワクチン接種を行うことで、確実に子犬や子猫たちの免疫獲得ができるようにしているということです。 なお、何らかの理由で初乳が飲めていない子犬や子猫がいた場合は、通常よりも早いタイミングでワクチン接種を行う必要があります。

まとめ

ブリーダー様の場合、複数のワンちゃんやネコちゃん=群 を管理しているので、一般の飼育とは異なり、群管理を行う必要があります。

ワクチンにおける感染症の予防はワンちゃん・ネコちゃんの健康を維持するうえで非常に有効で重要です。

AHBでは定期的に獣医師がワクチン接種を行い、群の免疫力を高めることで、感染症の発症、蔓延を防いでいます。